経産相、東電廃炉費用支援で専門委 来月初会合、年内に原案

 

 世耕弘成経済産業相は20日の閣議後の記者会見で、東京電力の経営問題を専門に議論する委員会を新たに設置すると発表した。主要経済団体の代表らをメンバーに据え、福島第1原発事故の廃炉費用の支援や東電の事業再編をにらんだ経営改革を一体で議題にする。来月初旬に初会合を開き、年内に提言の原案をまとめる。東電は年明けにも同社の再建計画「新総合特別事業計画」を改定する方針。

 経産省は通常の原発の廃炉費用を、大手電力が持つ送電網の使用料として新電力が支払う「託送料」に上乗せする方針で、東電の事故廃炉にも適用させたい考えだ。電気料金を通じて託送料を実質的に支払う国民の負担増につながるため、東電救済との世論の反発は必至だ。

 設置されるのは「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」。日本商工会議所の三村明夫会頭らがメンバーに入るほか、東京電力ホールディングスの広瀬直己社長もオブザーバーとして参加する。経済界全体の協力を得る形で、支援態勢の抜本的な見直しを進める。

 また電力改革の具体的な制度の設計を議論する「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の初会合を27日に開く。経産省は新電力に廃炉費用の負担を求める代わりに、東電など大手電力に原発で発電した電気の一定量を新電力が安価に利用できるよう、制度の見直しを議論する。

 世耕氏は記者会見で「東電問題は産業や経済に大きな影響を与える重要な課題だ。2つの委員会で対応策を検討してほしい」と述べた。

 原発事故後、実質国有化状態にある東電は、本年度末に国の関与を減らすかどうかを判断されることになっており、東電委員会は年度内に最終提言を取りまとめる。

 福島第1の廃炉費用は想定の2兆円を大幅に上回る見通しで、東電ホールディングスの数土文夫会長が7月に記者会見し、廃炉費用が想定を上回る可能性が高まったとして支援を求めていた。

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【用語解説】東電の経営問題

 東京電力は福島第1原発事故の賠償や除染で費用負担がかさんだ。原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて政府から資金援助を得るため、2014年に「新総合特別事業計画」(再建計画)をまとめた。16年4月には持ち株会社制に移行するなど経営改革を進めていたが、電力小売り全面自由化による需要の減少や、廃炉にかかる費用の増大など経営環境が変化したことから、数土文夫会長は7月に記者会見し、政府に新たな支援を要請していた。