日銀、政策目標「量」から「金利」に 枠組み転換、長期金利0%へ誘導
日銀は21日の金融政策決定会合で、金融政策の目標を国債買い入れなどの「量」から「金利」に転換することを決めた。長期金利に目標を設定する世界的にも異例の手法を導入し、0%程度に誘導する。会合後に記者会見した黒田東彦総裁は、消費者物価上昇率が2%を超えるまで金融緩和を続けると宣言。金融政策の目標を金利に転換する新たな枠組みで「政策の持続性が高まる」と説明した。
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◆東京株315円高
民間銀行が日銀に預ける資金の一部に年0.1%の手数料を課すマイナス金利政策は維持し、追加金融緩和は見送った。日銀は従来、年80兆円ずつ国債を買い入れることを目標にしてきた。今後は目標からは外すが、当面は金利の動向をみながら約80兆円の買い入れを続けるとした。
日銀の決定を受け、21日の東京株式市場では日経平均株価が大幅反発し、前日比315円47銭高の1万6807円62銭で取引を終えた。国債市場では長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時、約半年ぶりにプラスに転じ、外国為替市場の円相場は1ドル=101円から102円台後半で乱高下した。
日銀が長期金利を0%程度にする国債の買い入れ方針を示したことを含め、マイナス金利政策の副作用に配慮したことに投資家が反応した。
日銀は今回の決定で、次回以降の会合での追加緩和手段として、マイナス金利拡大と長期金利目標の引き下げを軸とする方針を示した。上場投資信託(ETF)などの買い入れ資産拡大や国債購入による資金供給量のさらなる増額の可能性もある。
黒田総裁は会見で、マイナス金利政策による金融機関の収益や人々の心理面への悪影響にも言及。新たな枠組みによって「(政策の)柔軟性や持続性を確保するために緩和の仕組みをさらに強化した」と述べ、2%目標の達成には思い切った方針転換が必要だという考えを表明した。
◆マイナス金利「有効」
決定と同時に日銀は「総括的な検証」の結果を公表。マイナス金利政策は国債買い入れと組み合わせたことで、長短金利を大きく押し下げ「有効である」と分析した。マイナス金利政策などの留意点に関し「マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。これまでの金融緩和について「経済・物価の好転をもたらし、物価の持続的な下落という意味でのデフレはなくなった」と評価した。日銀は国内の景気判断について「基調としては緩やかな回復を続けている」との見方を維持した。
日銀は黒田東彦総裁の就任後、2013年4月に大規模緩和を導入。前回7月の会合で3回目の追加緩和に踏み切っていた。
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