もんじゅ廃炉に地元「裏切りだ」 福井県知事は不満あらわ…原発再稼働に影響も

 

 もんじゅの廃炉方針が事実上固まったことを受け、立地自治体の理解をどう得るかが焦点の一つになる。廃炉すれば地元財政を支える交付金や固定資産税の減少は避けられず、既に「裏切りだ」と強い反発が起きている。原子力施設を数多く抱える福井県と衝突すれば他原発の再稼働も難しくなる恐れがあり、政府は地元要望にどこまで応えられるか判断を迫られそうだ。

 「真摯(しんし)に対応してきた敦賀市と福井県に、次の発展方向を示してほしい。地元をないがしろにして物事は進まない」。福井県の西川一誠知事は世耕弘成経済産業相との会談後、記者団に対し不満をあらわにした。

 福井県は原子力を始めとしたエネルギーの総合的な研究開発地域を目指しており、もんじゅはその中心だ。もんじゅがナトリウム漏れ事故など多数の不祥事を起こしながらも支え続けてきただけに、政府の方針転換に不信感を隠せない。

 廃炉に伴う財政的損失も深刻だ。もんじゅがある敦賀市はかつて4基の原発を抱えたが、老朽化などで廃炉が相次ぎ、もんじゅがなくなれば残りは日本原子力発電の敦賀2号機のみ。同3、4号機の新設計画は東日本大震災後に止まり、完成時期は未定だ。国の電源3法交付金はピーク時には約40億円(2006年度)にのぼったが、今年度、12億円に留まる見通し。

 もんじゅの運営はこれまで文部科学省の所管だったものの、今後は経産省が新たな高速炉の開発計画を主導するため、地元対策でも矢面に立たされそうだ。政府内では「研究開発の拠点整備を進めることで福井県の思いに応えたい」との声が上がる。ただ、商業用とは異なり電力会社の協力は得られないため、調整が難航する可能性もある。(田辺裕晶)