日本とインド、原子力協定署名へ 11月中旬にモディ首相が来日

 

 日本とインド両政府は、モディ首相が11月中旬に来日し、安倍晋三首相と会談する方向で調整に入った。会談に合わせ、両国はインドへの原発輸出を可能とする原子力協定に署名する見通しだ。日本にとって核兵器の廃絶を理念に掲げる核拡散防止条約(NPT)の未加盟国との協定締結は初めてとなる。

 モディ氏の来日は2014年8月以来。協定署名は15年12月の首脳会談での原則合意を受けたもので、国会承認など双方の国内手続きを終えた後、発効となる。安倍首相は会談を通じて経済分野だけでなく、安保面でも協力を強化する狙いだ。

 インドはNPT未加盟国で核兵器も保有している。外交筋によると、協定をめぐるこれまでの事務レベルの交渉で、インドが核実験した場合、日本は協力を即時停止すると明記し、軍事転用への歯止めをかけるとの内容で大筋合意した。唯一の被爆国としてNPTによる核不拡散を推進する日本がインドと協定を結ぶことには反発も出そうだ。

 政府は、日本企業による原発建設受注を後押しする。インド側は慢性的な電力不足を解消し、経済発展を加速させたい意向がある。

 会談で安倍首相は、南シナ海での中国の主権主張を否定した7月の仲裁裁判所の判断を受けて「法の支配」の重要性を確認。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の中国公船の現状も説明するとみられる。インド軍と自衛隊、米軍との共同訓練などの防衛協力を進めることでも一致したい考えだ。

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【用語解説】原子力協定

 平和利用を前提とした原子力関連技術や核物質、機材などの移転に関する2国間条約。軍事転用禁止や第三国への移転規制が盛り込まれる。2国間で署名した後、双方の国内承認手続きを経て発効する。日本は米国、英国、フランス、中国、欧州原子力共同体(ユーラトム)など13カ国・1機関と締結済み。サウジアラビアや南アフリカ、ブラジル、メキシコと交渉中。インドは約190カ国が締約する核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。