日銀・原田氏、“敗北宣言”の見方も「2%目指すのがリフレ派」

 
会見する日銀の原田泰審議委員=12日午後、長野県松本市

 日銀の原田泰審議委員は12日、長野県松本市で会見し、日銀が9月の金融政策決定会合で金融政策を転換したことに賛成した理由について、「(国債購入などの)緩和の限界懸念の払拭などを総合的に判断した」と述べた。お金の「量」から「金利」にシフトする政策転換だっただけに、(国債買い入れなどの)資金供給量を重視する「リフレ派」の原田氏は反対に回るとみられていた。市場からはリフレ派の“敗北宣言”との厳しい見方も出ている。

 「デフレから脱却して日本経済を成長軌道に乗せるため、2%の物価上昇を目指すと考えることがリフレ派だ」。原田氏はこの日の会見でこう反論した。

 リフレ派の従来の主張は、市中に出回るお金の量が増えれば物価上昇期待も高まり、デフレ脱却につながるというものだ。原田氏は昨年3月に審議委員に就任後、量の減少には反対姿勢を示していた。

 しかし、今回の会見で原田氏は「日銀も政府に関係している人もみなリフレ派」「先進国、多くの途上国も2%目標を掲げており全世界もリフレ派だ」と言い切った。

 枠組みの変更により、日銀の国債保有が400兆円を超え1~2年後に国債を買えなくなる懸念を払拭するということに理解を示す一方、「当面は現状の購入ペースの年80兆円をめどとする」と現行の購入方針が維持されたことや、金融緩和の一環として「量」を拡大する選択肢を残したことも大きい。

 一方で、今後の日銀の政策運営がスムーズに進むとの見方もできる。原田氏がリフレ派の“定義”を自ら広げたことで、今後の決定会合で賛否が割れにくくなる可能性が高いためだ。

 原田氏は会見で、「物価は従来見通しを下回っている」と明言。2017年度に2%の物価上昇目標を達成する見通しも下振れる公算が大きいことを示唆した。ただ雇用情勢の改善が続いているため「追加緩和は必要ない。金融政策決定会合で他の委員とよく議論して決めたい」と語った。