中国GDP6・7%増 くすぶり続けるリスク 日本企業、はや悪影響も
19日発表された中国の7~9月期実質国内総生産(GDP)は前年同期比6・7%増と低水準の成長にとどまった。個人消費は底堅く、中国に進出している日本企業はスマートフォン関連や家電のほか、減税の追い風を受ける新車の販売などが伸びている。ただ、鉄鋼などの過剰生産解消に向け構造改革が進めば景気が冷え込む恐れがあり、先行きは予断を許さない。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの野田麻里子研究員は、今回のGDPについて「中間層の厚さなどから消費は底堅く、景気を下支えしている」と分析する。
東芝はスマホ向けフラッシュメモリーの販売が好調で、平成28年9月中間決算の連結業績予想を上方修正。シャープは液晶テレビの販売台数を30年度に、28年度見込み比2倍の1千万台以上に増やす。
新車販売も昨年10月からの小型車減税で大きく増えており、ホンダは、9月の新車販売が前年同月比46・5%増の12万929台と大幅に増加した。中長期の成長を見越し、31年にも新工場を稼働させる方針だ。
ただ、低成長の悪影響も出始めている。海運市況の悪化は海運業界を直撃しており、日本郵船は28年7~9月期連結決算で特別損失1950億円を計上すると発表した。
ファーストリテイリングは8月期の中国ユニクロ事業が減益となった。
構造的課題である過剰生産による鉄鋼価格下落を受けて、新日鉄住金、JFEホールディングスなど鉄鋼大手は軒並み業績が悪化している。
過剰生産に関しては、中国当局は解消に向け改革を進めるとしている。日中経済協会を中心とした財界合同訪中団も9月、中国共産党序列7位の張高麗副首相に改革を求めた。
ただ、鉄鋼と石炭の改革で失業者が年約80万人出るとされ、「景気悪化の要因になる」(市場関係者)。予定通り小型車減税が今年末に終了すれば販売が失速する懸念などもあり、中国経済は引き続き、日本経済を下振れさせるリスクをはらんでいる。
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