インド、祭事商戦の広告費3100億円 消費喚起後押し

 

 インドは消費が活発化する祭事シーズンを迎えている。今年は消費者の購買意欲が高いことから、企業は大幅な販売増に期待し販売促進に注力する。同国の主要広告代理店4社によると、企業は9~12月の祭事商戦に広告・販促費として前年同期比12%増の2000億ルピー(約3100億円)を投入すると予測されている。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。

 インドの祭事シーズンは、9月中旬のヒンズー教の神ガネーシャの誕生祭「ガネーシャ・チャトゥルティ」などで幕が開け、10月下旬のヒンズー教の新年「ディワリ」で最高潮に達し、12月のクリスマスまで続く。

 同国では祭事シーズンとされる9~12月の4カ月間の売上高は年間売上高の40%に相当するとされ、小売り各社などにとって書き入れ時だ。過去2年は、雨不足による干魃(かんばつ)に見舞われたが、今年は雨期(6~9月)の降雨量が平年並みとされ、農村部での収入増が見込まれることに加え、政府が公務員の給与や年金額を引き上げたことも消費喚起につながるとみられる。

 電通イージス・ネットワーク南アジアのアシシュ・バシン最高経営責任者(CEO)は、二輪車や消費財のメーカーなどが地方部に向けた宣伝に注力していることなどが、広告費の拡大を後押しすると指摘する。

 企業側が販売増に大きな期待を示すなか、消費財メーカーでは、韓国LGのインド法人LGエレクトロニクス・インディアが、今年の祭事シーズンの売上高を前年同期比30%増と予測する。インド政府が農村部の電化率向上に注力していることなども販売拡大を後押しするとみられている。

 また、インド自動車工業会(SIAM)は祭事シーズンの販売増を見込み、2016年度(16年4月~17年3月)の販売台数の前年度比伸び率について、当初見通しの6~8%から10~12%に引き上げている。さらに、拡大を続ける同国のインターネット通販市場も活況が予想される。地場ネット通販大手スナップディールは、祭事シーズンの広告費に20億ルピーを投入。繁忙期に備えて地場ネット通販大手フリップカートと同社は合計で1万人を臨時に雇用した。インドは、実店舗だけでなく、ネット通販市場でも、年末にかけて熱い販売合戦が繰り広げられそうだ。(ニューデリー支局)