日銀総裁、物価目標2%の達成時期の延期示唆 国会答弁、追加緩和は先送り

 

 日銀の黒田東彦総裁は21日の衆院財務金融委員会で、2017年度中としてきた2%の物価上昇目標の達成時期に関し「修正もあり得ると思っている」と述べ、18年度以降に先送りする可能性に言及した。31日から開く金融政策決定会合で議論する。適正な金利水準について「すぐに変更があると考えることは難しい」とも語り、追加緩和を見送る考えを示唆した。

 民進党の前原誠司氏らに対する答弁。黒田氏が公式に18年度以降への物価目標修正に触れたのは初めて。実際に延期すれば18年4月までの総裁任期中の実現はかなわないことになる。

 黒田氏は、新興国経済の好転や政府の経済対策で「17年度の成長率は16年度より加速し、物価にはプラスに効く」と話したが、最近の物価上昇率がマイナスに陥っている点も指摘した。

 日銀は13年の時点で、2%目標を2年程度で達成すると宣言したが、これまで4度にわたり延期を重ね「17年度中」までずれ込ませていた。