ミャンマーのスー・チー氏、あす11月1日来日 日本に一層の支援要請へ

 

 【ネピドー=吉村英輝】ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相(71)が、11月1日に来日する。足踏み状態が続く経済のてこ入れや、少数民族武装勢力との和平交渉など重要課題の解決が正念場を迎える中、日本に一層の支援を求める構えだ。

 スー・チー氏の訪日は野党時代の2013年4月以来。昨年11月の総選挙後、事実上の国の指導者となってから初めてだ。すでにラオス、タイ、中国、英国、米国、インドを訪問。安倍首相とは今年9月、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が開かれたラオスで会談した。

 日本は軍政時代にミャンマーの経済開発に関与したため、スー・チー氏は、「快くは思っていない」(外交筋)とされる。だが、国民の多くが貧困生活を送る中、経済発展は急務の課題で、日本の支援は不可欠だ。現地にはすでに、日本企業が約300社進出している。安倍首相との会談では、防衛協力の意義も議題になる見通し。投資促進や人材育成で両国の官民協議も行われる予定だ。

 今年3月末の新政権発足以来、スー・チー氏は国軍との対決は避け、政権運営の安定を優先してきた。かつて自身を弾圧した軍幹部らの罪も不問に付した。

 外交でも「経済優先」の姿勢を示してきた。8月には最大の貿易相手国の中国を訪れ、習近平国家主席らと会談する一方、中国の人権問題批判は控えた。また、9月の訪米では、ミャンマー軍事政権の民主化弾圧を理由に米国が発動していた経済制裁の全面解除を取り付けた。

 一方、長年政府軍との衝突が続く少数民族問題では、8月に大規模な和平会議を開催したが、国境周辺などでは今も衝突が続く。日本は、日本財団が1978年から紛争被害支援を継続するなど、和平実現へ関与を続けている。