ベトナムが原発建設延期の方針 成長戦略、安倍政権に痛手

 

 ベトナムが日本やロシアの支援で計画している初の原発建設について、ベトナム共産党が10月、政府の財政状況から「現時点で多額の投資は非常に困難」として延期の方向で見直すよう政府当局に指示したことが分かった。政府は計画の包括的な見直しを進めており、報告書を国会に提出する方針。

 日本は2010年、官民一体の売り込みが成功しベトナムで原発2基の建設を受注することが決まった。計画が大幅に延期される可能性もあり、原発輸出を成長戦略の一つに位置付ける安倍政権にとって大きな痛手となる恐れがある。

 複数の党・政府関係者が明らかにした。ベトナム政府はグエン・タン・ズン前首相の政権下だった今年3月に発表した電力開発計画改訂版で、初の原発を28年から稼働する方針を示した。

 しかし、今年1月の党大会で選出された新しい党指導部の一部メンバーは、多額の債務を抱える中での原発建設や原発の安全性に懸念を表明。10月に開かれた党第12期中央委員会第4回総会は、延期の方向で計画を再検討する方針で一致した。

 ただ、政府内では電力需要の高まりや、石炭火力発電による環境悪化への懸念から原発導入を支持する声が根強く、商工省の当局者は原発建設自体を中止する可能性については否定した。

 ベトナムは09年、中部ニントゥアン省に原発4基を建設する計画を承認。当初は初の原発を20年に稼働させる予定だったが、東京電力福島第1原発事故を受けて津波対策などが必要となり延期されてきた。

 現行計画では、ロシアが受注したニントゥアン第1原発が28年、日本受注のニントゥアン第2原発が29年にそれぞれ運転開始の予定。着工時期は明らかにしていない。(ハノイ 共同)