ミャンマー、違法貿易の闇深く 環境指数低評価 警察力の向上課題
ミャンマーは違法貿易が蔓延(まんえん)している。英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した最新の違法貿易環境指数によると、ミャンマーは調査対象となったアジア太平洋17カ国・地域のなかで最下位に沈んだ。脆弱(ぜいじゃく)な警察力や法制度の不備などが低評価の原因だ。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。
EIUによると、ランキング首位はオーストラリアで指数は100点満点中85.2、以下、2位にニュージーランド(81.8)、3位に香港(81.4)と続いた。一方、下位の3カ国は、ミャンマーが最下位の10.8、ラオスが16位(12.9)、カンボジアが15位(23.9)だった。
同指数は、「知的財産権」「貿易の透明性」「税関環境」「需要と供給」の4項目を柱に、統計や法制面の評価を数値化し、順位付けした。満点は100で、スコアが低いほど違法貿易にさらされている度合いが強いことを示す。EIUとシンガポールの欧州商工会議所が2015年9月~16年2月に調査を行った。
ミャンマーにある国連薬物犯罪事務所の幹部によると、同国は調査対象17カ国・地域で課題が最も多い。同幹部は、違法貿易を減らすためには装備の充実などにより警察力を高めることが必要と指摘。特に、国境をまたぐ犯罪に対応する能力を養うことが重要としている。
違法貿易の相手国は大半が中国とみられており、ヒスイや木材からトラなどの野生動物まで品目はさまざまだ。15年には非政府組織(NGO)のグローバル・ウイットネスがヒスイの対中違法取引額が年間310億ドル(約3兆2665億円)に達すると発表。英環境団体の環境調査エージェンシーは、毎年数億ドル規模の木材が中国に密輸されていると警告した。
ミャンマーは、知財保護のための法整備が進んでいないなど、法制面でも違法貿易に対して脆弱な側面をもつ。同幹部は「政権交代の実現によって吹き込まれる新風に期待している」と述べ、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)政権に望みを託す。一方で、対策は一筋縄ではいかないとの認識も示した。(シンガポール支局)
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