中国ネット販売で大盛況だった「独身者の日」 ユニクロ3分足らずで1億元売り上げる

提供:中国新聞
山西省太原市のスーパーでも11日、「独身者の日」のセールが行われていた。今年はオンラインで購入し、実店舗で受け取る“オン・オフの連携”が進み、荷物を待つ客のイライラ緩和に役だったようだ(中国新聞社)

商品渡し・顧客誘導スムーズ、販売増

 中国のネットショップなどが11月11日(双11)を「独身者の日」として、大規模なセールを行うようになってから8年。ネットショップと実店舗の関係も、当初の対立の構図から融合へと変化を遂げてきた。ブランドにとってネット通販の売り上げは重要だが、1日のセールが実店舗の地位を脅かすほどではなく、むしろ「双11」セールが実店舗の売り上げを増やす効果も表れている。

両方で値引きセール

 「双11」のセール開始からわずか2分53秒で、ユニクロのオンラインショップは販売店の中で最も早く、決済額1億元(約16億800万円)を突破。天猫(Tモール)旗艦店は、当日午前10時ごろには早くもセール対象品の売り切れを発表した。

 当日未明にユニクロのオンラインセールに臨んだ王雲歌さんは、娘のために買おうとした子供服が瞬く間に売り切れたのをみて仰天した。このことで闘志をかきたてられた王さんは、ダウンジャケットやコートを素早く選ぶと、すぐさま支払い。ようやく数着を手に入れた。

 ユニクロの担当者は「今回のセールに臨む消費者の意欲は予想以上だった。これほど早く売り切れるとは考えていなかった」と驚きを隠さない。当日、最もよく売れたのは男性物のウルトラライトダウンジャケットで、単品としては衣料品分野の売り上げトップだった。

 これまでの「双11」と異なるのは、ネットショップと実店舗の両方がセールを行っている点だ。ユニクロは今年、一部の商品についてオンラインとオフラインの両方で値引きを行い、ネットで買った商品の店頭受け取りサービスも始めた。目的は、オンラインの顧客を実店舗に誘導することだ。店頭受け取りサービスは「すぐに商品を見たい」という消費者の心をつかみ、さらに販売側の物流圧力も緩和。ユニクロによると、多くの消費者が店頭受け取りを希望し、11日の実店舗の来客数は昨年に比べ倍増した。

 シューズ・アウトドアウエアブランドの駱駝(CAMEL)も、今回はオンラインとオフラインの融合戦略をとり、5億200万元の売り上げを達成して靴部門トップに輝いた。アパレルの寧波太平鳥時尚服飾(PEACEBIRD)は傘下5ブランドが全て「双11」セールに参加、このうち紳士服の太平鳥男装は実店舗400軒で商品発送や同時セールを行った。

深い相互交流の場

 メーカー側にとって、電子商取引(EC)の急成長は販売ルートの変革をもたらすだけでなく、より深い部分で消費者の思考様式に変化をもたらすものだ。駱駝の万金剛総経理は「『双11』は単なる販促活動ではなく、ブランドと消費者の深い相互交流だ。製品でユーザーを囲い込むのではなく、ユーザーを中心に製品を考えていかなければならない」と語る。同社の人気製品は防寒性の高いウインドブレーカーで、オンラインで6万着余りが売れ、売り上げは2700万元強、今年の「双11」ではウインドブレーカー部門でトップになった。

 スマートフォンメーカーの魅族科技(メイズ)も、ECサイトに加えてオフラインルートでもセールを実施。11日以降、全国の専売店で10日間のセールを行っている。オンライン・オフライン合わせて(14日までに)110万台を売り上げ、販売収入は12億5000万元超に達している。小米科技(シャオミ)も今年初めて実店舗での「双11」セールを行った。

 国務院(内閣)弁公庁は11日、「実体小売りの刷新と転換を推進することに関する意見」を発表、オフライン小売り企業が構造調整を加速し、発展方式を刷新し、商品とサービスの提供能力と効率を引き上げることを支援する16項目の政策措置を打ち出した。とりわけ、オンラインとオフラインの融合を促進するよう強調し、実店舗がインターネットやビッグデータなど新世代の情報技術の応用に力を入れるよう求めている。(北京晨報=中国新聞社)