続く円安株高、過熱感に警戒感 株価の年内上値は1万9000円との声

 

 米大統領選後の「トランプ相場」が続く中、25日の東京株式市場では日経平均株価が一時、終値での年初来高値を上回った。平均株価は約半月にわたってほぼ一本調子で上昇しており、短期的な過熱感も意識されているが、米金利上昇が円安ドル高を促し、平均株価の上昇につながるという流れは今のところ大きく揺らいでいない。市場関係者からは、年内に1万9千円程度まで上昇するとの声も出ている。

 米大統領選後に東京市場で円安・株高をもたらした最大の要因は米長期金利の急上昇だ。減税やインフラ投資といったトランプ次期米大統領の経済政策への思惑や米物価上昇期待を背景に、23日には一時2・41%と昨年7月以来の高水準をつけた。金利の高いドルが一方的に買われ、この約半月で円相場は一時13円近くも円安ドル高が進んだ。

 主要企業では、トヨタ自動車や日立製作所などが今年度下期の想定為替レートを1ドル=100円に設定している。足元の円安ドル高基調が続けば輸出採算の改善を通じて業績の上振れにつながるため、平均株価を大きく押し上げている。

 米大統領選後の10日から25日までの11営業日で、平均株価が下落したのはわずか1日。この間の上げ幅は2129円に達し、急ピッチの上昇による過熱感から反動を警戒する声も多い。加えて、トランプ氏が選挙中に掲げた政策をすべて実行できる可能性は低く、足元の円安・株高は期待先行の側面が強い。

 来週は、終値で年初来高値を更新するかが注目点。また年内には、原油減産を正式決定するかどうかが焦点となる石油輸出国機構(OPEC)の総会、憲法改正の是非を問うイタリアの国民投票、約1年ぶりの追加利上げが確実視される12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)などの注目イベントが控える。

 みずほ証券の三浦豊氏は「米株高と円安ドル高がどこで止まるかが、平均株価の行方を占う」と指摘。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は、年内の平均株価の上値めどは「1万9千円程度」との見方を示した。(森田晶宏)