年金改革法案が成立の公算 与党、衆院委で可決

 
衆院厚労委で年金制度改革法案などの採決に反対し、丹羽秀樹委員長に詰め寄る民進、共産両党=25日午後

 年金支給額の抑制を強化する年金制度改革法案は25日の衆院厚生労働委員会で、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。民進、共産両党は審議が尽くされていないと抗議したが、与党は採決を強行した。与党は30日までの会期を延長する方針で、今国会で成立する公算が大きくなった。法案は支給額を抑制して年金財政に余裕を生み、将来の支給水準を維持する狙いだ。

 安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は28日に与党党首会談を開き、延長幅を決定する。

 法案には2つの抑制策が盛り込まれた。1つは支給額の改定ルールを見直して、保険料を支払っている現役世代の賃金が下がった場合は年金も必ず減額する内容だ。現行ルールは高齢者の生活に影響する物価の変動を重視。賃金が下落した場合でも支給額を据え置いたり、減額が小さくなるよう物価に合わせて改定したりしていたが、2021年度以降は賃金に合わせて減額する。

 もう1つは、少子高齢化に合わせて支給水準の伸びを毎年1%程度ずつ抑制する「マクロ経済スライド」の強化だ。現行では賃金や物価が上昇した場合しか適用されないが、18年度からはデフレなどで実施しなかった抑制分を翌年度以降に持ち越して、景気回復局面でまとめてカットするよう変更する。

 委員会で安倍首相は「将来の年金水準が想定より下がらないようにする」と強調、民進党の柚木道義氏は「年金生活者の暮らしを無視した法案だ」と批判した。

 法案にはほかに(1)従業員500人以下の企業でも労使が合意すれば、厚生年金の加入対象を拡大(2)国民年金に加入する女性の出産前後の保険料納付を免除(3)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を合議制にする-などの見直しが盛り込まれている。