30日にOPEC総会 トランプ新政権で影響力低下避けられず

 

 石油輸出国機構(OPEC)は30日、ウィーンで定時総会を開き、原油減産の正式決定を目指す。加盟14カ国の生産枠はいまだに固まらず、決着は閣僚折衝に委ねられた。原油市場ではトランプ次期米大統領が支援を表明した新型原油シェールオイル業界に加え、調整役として台頭したロシアの存在感が強まっており、総会がどのような結果になってもOPECの影響力が大きく低下するのは避けられない。(田辺裕晶)

 OPECは、盟主サウジアラビアが原油安による財政赤字の拡大を受け、シェール勢とのシェア争いから減産による油価回復にかじを切った。

 しかし、加盟国の足並みはそろわない。28日に生産枠を詰める事務レベルの高官協議を開いたが、欧米による経済制裁前の水準まで生産量を回復させたいイランの扱いなどが懸案となり合意できなかった。OPEC総会の意思決定は全会一致が原則のため、異論が出れば約8年ぶりとなる減産は実現できない。

 たとえ減産を正式決定しても、思惑通りに油価の上昇が続くかは不透明だ。

 OPECの市場シェアは40%に満たず、米国のシェール勢が増産すれば減産分は吹き飛ぶ。トランプ氏は開発規制の緩和などを通じてシェール開発を支援する姿勢を打ち出しており、既に世界最大の産油国である米国の生産量や価格競争力はさらに向上しそうだ。

 また、市場は米国を除く非加盟国がOPECと協調できるかを注視している。油価を押し上げ財政改善につなげたいロシアは、OPECが定時総会で減産を正式決定すれば増産凍結に応じる意向を示す。ただ、28日に予定していたOPECと非加盟国の会合は中止になり、油価は「失望売り」で下落した。

 非加盟国の影響力が増大する中、OPECは「『生産枠破り』が出る恐れがある」(エコノミスト)と減産の実効性すら疑問視されるなど、機能不全に陥っている。石油業界では「OPECは油価を調整する役割を終えた」(元売り大手幹部)との指摘も出ており、今後は米国とロシアを加えた“3頭体制”が原油市場を左右しそうだ。