17年度税制改正 研究開発減税、最大14%に 増加割合に応じ優遇

 

 政府・与党は5日、2017年度税制改正で企業の研究開発を減税で支援する「研究開発減税」を拡充する方針を固めた。研究開発費の8~10%を法人税額から差し引く制度について減税率を6~14%に広げ、増加割合に応じて減税率が高くなる仕組みにする。賃上げを促す減税も増加率が高いほど減税額を拡大。メリハリの利いた優遇措置で企業に投資や賃上げを促し、成長力強化につなげる。

 現行の研究開発減税は、売上高に占める研究開発費の比率に応じ、費用の8~10%を法人税から差し引ける。さらに、研究開発費が過去3年平均より増加した際に増加額の一部を減税に上乗せでき、これは16年度末が適用期限になる。

 新たな研究開発減税は、上乗せ措置を廃止する代わりに、減税率を6~14%に広げる。研究開発比率ではなく、過去3年平均と比較した増加割合に応じて減税率に差をつける。研究開発費を大きく増やす企業は減税率が上がり、減らす企業は低くなる。

 減税の対象も製品の製造・技術の開発から、人工知能(AI)や大量に蓄積されたビッグデータを活用したサービスの開発に広げる。

 一方、企業の賃上げを減税で後押しする制度は現在、企業規模を問わずに12年度の給与総額に比べ一定水準を上回ると増加分の10%を法人税から差し引ける。今後は中小企業は前年度比で2%以上賃上げすれば、給与増加額の22%を法人税から差し引けるようにする。大企業は同様の賃上げで12%分を引けるが、賃上げが2%未満であれば減税を受けられない。

 政府は国内総生産(GDP)に占める研究開発費の割合を4%以上にする目標を掲げ、来年の春闘では2%超の賃上げを求めている。メリハリがついた減税で積極的な投資や賃上げを促す。

 ■企業の競争力強化を後押しする減税措置

 ◆研究開発

 ・研究開発費の8~10%を法人税から差し引く制度について、減税率を6~14%に拡大

 ・減税対象を商品の製造技術の開発から人工知能(AI)などを使ったサービス分野の開発にも拡大

 ◆賃上げ

 ・賃金を前年度比2%以上増やした企業の法人税の減税率を大企業で増加額の12%、中小企業で22%に拡大

 ◆中小企業の設備投資

 ・新規の機械設備を導入すると固定資産税が3年間半減する措置を卸・小売りや介護などのサービス業に拡大

 ◆事業再編

 ・企業が特定の事業部門や子会社を独立させる際にかかる法人税をゼロに

 ◆事業承継

 ・中小企業の後継者が株式を受け継ぐ際に相続税や贈与税を軽減する措置の基準を緩和