与党税制大綱 経済界、活性化に期待の声 自動車業界は影響軽微で安堵

 

 与党が8日決めた2017年度税制改正大綱について、日本商工会議所の三村明夫会頭が「経済の好循環の実現に寄与する内容が盛り込まれ、評価したい」とコメントするように、経済界からは経済活性化への期待の声が相次いだ。

 経団連の榊原定征会長は「経済界として、引き続き投資の拡大や賃金の引き上げに向けた取り組みを進めていく」との談話を発表。配偶者控除の見直しに合わせ「各企業に配偶者手当の再点検や見直しを呼びかける」ともした。

 経済同友会の小林喜光代表幹事は、配偶者控除の見直しについて「当面の対応としてやむを得ない」とコメントし、廃止も含めたさらなる見直しを求めた。国際的に高いという批判が多い法人税については「国際的な水準にするよう、不断に見直しを求めたい」と注文を付けた。

 ビール類の酒税一本化に対しては、ビール各社の温度差が明確になった。減税されるビールの販売比率が6割程度と高いアサヒビールとサッポロビールは、売り上げ増に期待をかける。アサヒの平野伸一社長は「税率に関する具体的な道筋が示されたことは大きな前進」と歓迎のコメントを発表。サッポロの尾賀真城社長は「減税額は満足できる水準ではない」とさらなる減税を求めた。

 増税される発泡酒や第3のビールの比率が約6割と高いキリンビールとサントリービールは、売り上げを減らす可能性がある。サントリーホールディングスの新浪剛史社長は酒税一本化について「今後の景気動向を踏まえ、実施されると認識している」とくぎを刺した。

 自動車業界は、エコカー減税の適用基準対象の絞り込みが避けられたことで、国内販売への影響は軽微にとどまる見込みになったと安堵(あんど)している。

 日本自動車工業会(自工会)の試算によると、16年度の国内新車販売台数は前年度比1.9%減の484万5200台と、3年連続で減少する見通し。エコカー減税の優遇対象車両を絞り込んだことで車種によっては若干の駆け込み需要が見込まれるが、政府が基準を緩めた経過措置を設定したことで、燃費性能のよい車は引き続き減税の恩恵を受けられる。

 このため「(14年4月の)消費税増税後ほどの販売への影響はないだろう」と(大手自動車メーカー)との見方が広がる。