もんじゅ廃炉めぐり福井県知事反発、条件闘争も 経産省幹部がっくり「正直失敗した」

 

 もんじゅの廃炉をめぐっては、福井県側の強い反発で再度説明を求められる事態になった。政府は周辺地域を原子力分野の研究・人材育成の中核拠点として整備するなど、地元の要望に“満額回答”したつもりだっただけに頭を抱えている。廃炉方針はもはや覆らない見込みだが、県側の対応次第では正式決定するまで調整に時間がかかる恐れがある。

 「正直失敗した」。経済産業省幹部は同日の「もんじゅ関連協議会」の後、がっくりと肩を落とした。

 政府はこの日の方針案でもんじゅを含む周辺地域を「我が国の原子力研究や人材育成を支える中核的拠点」にすると明記。敷地内に新たな試験研究炉を設置するなど厚遇することで、もんじゅを中心にエネルギーの総合的な研究開発拠点を作る構想を掲げていた西川一誠知事の顔を立てたつもりだった。

 だが、県側からは予想外の強い反発が上がり、文部科学省担当者は「どう回答すればいいか頭が整理できない」と漏らす。

 西川知事は、原子力規制委員会が不適格と指摘したもんじゅの運営主体「日本原子力研究開発機構」が、廃止措置や研究拠点化に関わることに難色を示す。

 だが、文科省はこれまで機構に代わる運営主体を探しながら見つけられなかった経緯があり、一朝一夕で答えが出る問題ではない。県側も当然認識しながら最終盤でカードを切ったとみられ、今後は政府との条件闘争になる可能性が高い。

 一方、地元には、ナトリウム漏れ事故など不祥事を重ねたもんじゅを支え続けた自負がある。敦賀市はかつて4基の原発を抱えたが、老朽化などで廃炉が相次ぎ、もんじゅ廃炉後に残るのは日本原子力発電の敦賀2号機のみ。国の電源3法交付金はピーク時に比べ約3割に落ち込んだ。

 政府は廃炉措置に移行した後も交付金が減少しないよう措置を講じると同時に、地元の雇用や経済に影響を与えないよう「最大限努力する」と説明している。今後はこうした地元対策の具体化が焦点になりそうだ。(田辺裕晶)