第2次安倍政権4年 デフレ脱却は道半ば、個人消費拡大ならず 切り札は賃上げだが…
第2次安倍晋三政権が発足し26日で4年が経過した。金融緩和などを柱とする経済政策「アベノミクス」が奏功し金融市場や雇用は改善。ただ、物価は上がらず、デフレ脱却は今も途上にある。トランプ米次期大統領の登場などで海外経済の不確実性も強まる中、デフレの「根本原因」である消費意欲の低迷を解消するため、企業は着実な賃上げを進める必要がある。
「日本経済にも明るい兆しがみられるがアベノミクスはまだ道半ばだ。産業界には来年(の春闘)の賃上げに向け、積極的な対応を求めたい」
安倍首相は26日出席した経団連の会合でこうあいさつした。首相は11月の「働き方改革実現会議」でも賃上げを要請。政府が民間の労使交渉に関わる「官製春闘」は4年連続となる。
政権発足後の4年で改善が目立つのは金融市場と雇用だ。足元の日経平均株価は、発足直後より約9000円高の1万9000円台。円相場は、30円以上円安の1ドル=117円台で推移する。企業は輸出関連を中心に収益が改善。雇用情勢も上向き、10月の有効求人倍率は25年2カ月ぶりの高水準を記録した。
円安株高を牽引(けんいん)したのは日銀の大規模な金融緩和だ。9月には長短金利の操作を採用し「異次元の金融緩和」を持久戦へ。黒田東彦総裁は26日の講演で海外経済の回復に伴う金利差拡大で円安が進み、日本経済を後押しするとの見方を示した。
ただ、肝心の物価は10月もマイナスに沈み、日銀が安定目標とする「2%」は遠い。個人の消費意欲は力強さを欠く。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの中田一良主任研究員は「心配で企業がモノやサービスの値上げに踏み切れない」と指摘する。安倍首相が賃上げを強く求めるのは、所得を増やし、まず財布のヒモを緩める狙いがある。「働き方改革」で、非正規社員の待遇改善や女性の社会進出を進めるのも、所得拡大で消費を改善するのが狙いだ。個人消費は内需の柱でもあり、日本経済の成長軌道を確実にする観点からも強化が求められる。(山口暢彦)
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