中国リスク 世界経済の攪乱要因に

 
G20首脳会合であいさつする中国の習近平国家主席=9月、中国・杭州(共同)

 ■元の国際化、AIIB加盟国拡大、鉄鋼過剰生産

 「われわれは世界経済が直面する荒波を乗り越え、未来の成長へ向けた新航路を切り開ける」-。9月4日に中国浙江省杭州で開幕した20カ国・地域(G20)首脳会合。議長を務めた中国の習近平国家主席は、各国首脳に力強く訴え、国際社会で存在感を増す中国の姿をアピールした。ただ「チャイナリスク」は引き続き世界経済の攪乱(かくらん)要因にもなっている。

 国際通貨基金(IMF)は10月1日、人民元を仮想通貨「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨の一つに採用し、元はドルや円と並ぶ主要通貨の地位を獲得した。元の国際的な利用拡大を狙う中国の念願がかなった。

 中国が主導して昨年12月に発足させた国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は6月に初の年次総会を開き、第1弾の融資案件としてパキスタンなどでの4事業を報告。金立群総裁は、加盟国が当初の57カ国から大幅に増えるとの見方を示した。

 一方、中国の株式相場は年明け早々に急落し、上海と深センの両証券取引所は今年の取引初日から、相場の急変動を防ぐ緊急取引停止措置「サーキットブレーカー」を発動。中国経済の先行き懸念から、日米欧でも株価が下落し、世界市場は波乱の幕開けとなった。

 人民元相場も対ドルで下落が続いた。海外への資本流出圧力が高まり、中国当局は元急落を防ぐため、大規模な為替介入を繰り返した。

 中国の鉄鋼の過剰生産も国際問題になった。中国製品が海外市場に安値で流れ込み、貿易摩擦が激化。中国に生産削減を求める声が強まった。

 今月11日には、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して15年が経過。中国が「市場経済国」に認定されるかが注目されたが、日米欧は認定を見送った。中国は反ダンピング(不当廉売)調査をめぐり不利な条件が続くため猛反発。来年以降も摩擦の火種となりそうだ。