米通商代表にライトハイザー氏 トランプ氏起用へ TPP代替策担う

 

 トランプ次期米大統領が米通商代表部(USTR)代表にレーガン政権でUSTR次席代表を務めたロバート・ライトハイザー氏(69)を指名する見通しとなった。ロイター通信など海外メディアが2日、一斉に報じた。トランプ氏が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)脱退の代替策として提唱する2国間協定や米国がカナダ、メキシコと結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を担う見込み。

 トランプ氏は既に財務長官や商務長官らの人事を決めており、ライトハイザー氏の通商代表への起用で、次期政権の経済チームの主要メンバーが出そろうことになる。次期政権は今後、大規模減税やインフラへの巨額投資をはじめとする経済政策の具体化を急ぐとみられる。

 通商代表は閣僚級のポストで就任に議会上院の承認が必要。

 次期政権は商務長官に就任する予定の著名投資家ロス氏と、新設の「国家通商会議(NTC)」委員長に起用する対中国強硬派のナバロ氏の2人を通商戦略の司令塔にする方針。通商代表の存在感が薄れる可能性があるとの見方も出ている。現職のフロマン通商代表はTPP交渉を主導し、日本に農産物関税の撤廃や大幅な引き下げを認めさせた。日本政府は歴代の通商代表を「タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」として警戒してきた。(ワシントン 共同)