トランプ次期米大統領、記者会見要旨

 
ニューヨークのトランプタワーで記者会見するトランプ次期米大統領。奥はペンス次期米副大統領=11日(ロイター=共同)

  トランプ次期米大統領の会見要旨は次の通り。

 【経済関連】

 多くの自動車会社が米国内に戻ってくる。(米国内の工場増強を発表した)フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、メキシコ工場建設を撤回した米フォード・モーターに感謝する。米ゼネラル・モーターズ(GM)には、これらに続いてほしい。多くの産業が国内に戻ってくると思う。

 製薬業界も国内に取り戻さなければならない。製薬業界は破滅的な対応をとり続けてきた。米国内で生産していない。

 私は、神が創造した最高の雇用創出者になると言ってきた。本気でそう思っており、一生懸命やるつもりだ。

 米国内なら場所を問わないが、米国外に生産拠点を移す企業には高い税金を課す。

 中国との貿易では、年に何千億ドル規模で損失をこうむっている。日本、メキシコとも不均衡なままだ。(交渉のためには)優秀な人材が必要だ。次期政権の陣容を誇りに思う。

 医療保険制度改革(オバマケア)は大失敗だった。撤廃し、より良いものにする。

 (選挙中に公約したように)メキシコ国境に壁をつくる。就任次第すぐに始める。フェンスではない、壁だ。費用はメキシコに負担させる。

 【対ロシア】

 (私生活に関する不利な情報をロシアが握ったとの報道は)おそらく情報機関が流した。すべて虚偽ニュースだ。そんなことは起こっていない。敵対者による仕業だ。

 (米大統領選を狙った)サイバー攻撃はロシアがやったと思う。米国はロシア、中国などからハッキングを受けている。90日以内に報告書を出す。オバマ政権のロシアへの制裁は行き過ぎではない。

 もしプーチン大統領が私に好意を持ってくれているなら、それは財産であって、不利になるものではない。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)打倒でロシアは助けとなる。

 プーチン氏とうまくやっていけるか分からないが、やっていけるよう望んでいる。

 ロシアに近づかないようにしてきたため、私はロシアと取引がなく、負債もない。

 私が就任すれば、ロシアはもっと米国に敬意を払うだろう。ロシア、中国、日本、メキシコなどすべての国が、過去のどの政権よりもはるかに尊重するようになる。

 【対中国】

 十分な対策が講じられていないために、2200万ものアカウントが中国によってハッキングされた。

 中国は、米国を出し抜いて南シナ海で大規模要塞を建設している。

 【利益相反問題】

 (不動産などの)事業は2人の息子が継いで運営する。彼らが事業について私と協議することはなくなる。