インドネシア発のサッカー動画配信、事業拡大へ 今年50万加入者目標 「新時代の到来」
インドネシア発のサッカー中継配信局が本格的な事業展開に乗り出している。同局は、「スーパーサッカーTV」の番組名で昨年11月後半にサッカー試合のインターネット中継などを開始した。今年は50万人のサービス加入者獲得を目指す。将来的には中東や北米にも進出する方針だ。現地紙ジャカルタ・グローブなどが報じた。
同局を運営するプラダ・スアラ・プロダクションによると、スーパーサッカーTVはスマートフォンなど携帯端末でも視聴できる。視聴者が動画を選択できるオンデマンド視聴に加え、試合の生中継の視聴も可能だ。
同社幹部は、昨年12月後半までの1カ月でアプリのダウンロード数が27万5000回を超えたとし、今年8月までにダウンロード数を150万~200万回、サービス加入者を50万人に増やしたいとしている。同社の出資者には、中東の投資家なども含まれていることから、将来的にはアラブ首長国連邦や米国など国外への進出も視野に入れているという。
現在までに放映権を取得しているのは、イタリア・セリエAやイングランド・プレミアリーグの1つ下に当たるフットボールリーグ・チャンピオンシップ、ワールドカップの南米予選など。現状では従来型のテレビ放送も有力な事業となるため、300万ドル(約3億5000万円)を投じて放送枠を確保した。
同幹部は、従来のテレビ放送とネット放送の違いについて、テレビでは放送局が試合を選んで放映するのに対し、ネットでは番組表を基に視聴者が試合を選んで観戦できる点だと強調。「これまではテレビ局がサッカーファンを支配してきたが、スーパーサッカーTVの登場は新時代の到来を告げるものだ」と胸を張った。
同社は今後、提携している複合企業ジャルム・グループと関連がある地場家電メーカーのポリトロンと協力。ポリトロンのスマホやネット対応テレビにアプリを標準装備とするなどして、まずは国内の加入者獲得に注力する方針だ。(シンガポール支局)
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