IMF、今年の日本の成長率を0.8%に上方修正 トランプ米新政権の保護主義化に警鐘
【ワシントン=小雲規生】国際通貨基金(IMF)は16日発表の世界経済見通しで、2017年の世界全体の成長率を昨年10月の前回見通しと同じ3・4%に据え置いた。またIMFは世界経済の保護主義化に警鐘を鳴らしたほか、トランプ次期米政権下の政策や他国に及ぼす効果が不明なことを理由に、世界経済の見通しに不確実性が増しているとしている。
IMFは見通しに関する報告書のなかで、トランプ次期米大統領が米国の貿易赤字を問題視し、米国への輸入への高関税を示唆していることを念頭に、「国際貿易や移民の制限は生産性や所得を傷つけ、即時に市場心理に悪影響を与える」と指摘。保護主義の流れが強まることを世界経済のリスク要因としてあげた。
さらに米国については財政拡大や大幅減税などを含むトランプ氏の経済政策が景気を上ぶれさせる可能性もあると分析。また中国でも中国政府による景気刺激策の効果が想定より大きくなるかもしれないとした。そのうえで金融引き締めが急激に進み、新興国などの財政状態が悪化するリスクにも言及している。
見通しでは先進国の17年の成長率を前回よりも0・1ポイント上方修正して1・9%とした。米国は0・1ポイント上方修正の2・3%、日本は0・2ポイント上方修正の0・8%としている。
一方、新興国の成長率は0・1ポイント下方修正の4・5%。中国は0・3ポイント上方修正の6・5%とされたが、高額紙幣廃止で経済が混乱しているインドや16年後半の成長が弱まっているブラジルが下方修正された。またトランプ氏が批判を強めるメキシコも見通しが引き下げられた。
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