ミャンマー、初の信用調査会社が稼働 日系企業の進出後押し

 
ミャンマーの最大都市ヤンゴン中心部。外国企業の進出ラッシュとともに、渋滞も慢性化している

 日系企業のミャンマー進出を後押しするため、現地の金融機関が昨年設立した同国初の信用調査会社が、本格稼働を開始した。すでに約50件に上る調査業務に着手しており、今後はコンサルティングや進出支援事業なども展開する計画だ。

 信用調査会社は「FWPリサーチ」。資本金は100万チャット(約10万円)で、農家に対し一般貸し付けを行うミャンマー農民公益銀行傘下のグループ企業。100%ミャンマー資本で同行幹部が株主となっている。同銀行の顧問を務め、現地で情報サイトのデータセンターを経営する木下陽康氏が中心となって事業を進めていく。

 ミャンマーは、日系企業の進出に多大な期待を寄せている。しかし、現地企業の正確な決算書が入手しづらく、パートナーを組もうとしても実態をつかみにくいのが現状。また、経営者が米国のブラックリストに名を連ねていたり、麻薬や武器、密貿易に関係していることもある。結果として日本側が二の足を踏むケースが顕在化している。

 こうした現状を踏まえ設立された信用調査会社は、提携パートナーや取引先の与信、社内の不正など各種調査業務を幅広く手掛ける。顧問団は政界、国軍、警察、税務、法曹など各界の有力OB15人によって構成され、特別のコネクションがなければ難しい公的機関の書類も入手する。

 これまでは、コンプライアンス対策を重要課題として掲げる商社や金融、ゼネコンなど、大手企業からの問い合わせが中心。ミャンマーは「アジア最後のフロンティア」として注目されているだけに、製造業から不動産、飲食サービスに至る幅広い分野で調査ニーズが高まるとみられる。今後は日系企業だけでなく、東南アジアや欧米の企業にも対象を広げて顧客を開拓する。

 また、ミャンマーでは初めてとなる企業データベースの構築も進めており、今年中に日本語と英語で会員向けに公開するほか、企業年鑑の発刊も予定している。