政府、公共工事に前倒し契約枠 約1400億円、当初予算で初 人手不足に対応

 
政府は公共工事の平準化で、建設業界の人手不足への対応や働き方改革を進める=東京都内(ロイター)

 政府は、建設業界の人手不足に対応するため、公共工事の施工時期の平準化を進める。当初予算としては初めて、国会に提出した平成29年度予算案に約1400億円の前倒し契約枠を盛り込んだ。これまで予算成立後に契約した場合、施工時期が秋以降に集中しがちだったが、30年春からすぐに工事に入れるようにする。人繰りが効率的になることで、働き方改革にもつながりそうだ。

 前倒し契約枠の設定で、29年度中に発注手続きや契約を済ませられるようにする。実際に国費を支出するのは30年度になる。道路や橋などの建設に活用したい考えだ。

 公共事業は春や夏に少ない一方、秋から翌春にかけて集中するケースが多い。石井啓一国土交通相は、前倒し契約枠によって「30年度当初の閑散期の工事量の落ち込みを緩和し、施工時期の平準化に寄与する」と期待を寄せる。

 建設業者にとっては、人材や機材を効果的に利用できるようになり、生産性が高まる効果が期待される。労働者も、収入や休暇取得が安定的になるといったメリットが想定できる。

 これまで公共事業の前倒し契約枠は補正予算で採用されてきた。補正の時期にならないと、どの事業を対象にできるか判断がつかなかったためだ。だが補正成立を待っていると、発注などの手続きに十分な時間をかけられなくなるという弊害が指摘されていた。

 最近はIT技術などの進歩で早期にその判断ができるようになり、当初予算で設定することにした。政府関係者は「発注を早く始めるなど準備期間がしっかり取れ、計画的に進められるようになる」と話す。

 29年度予算案は2つの年度をまたいで施工できる枠として前年度から倍増の約1500億円も確保した。