米新政権誕生、日本の繁栄に向けて
太陽の昇る国へ□幸福実現党党首・釈量子
--トランプ米新政権が発足しました
大統領就任演説で改めて「米国第一」を強調したトランプ氏に対し、世界は戦々恐々としていますが、わが党の捉え方は異なります。世界に変革をもたらす“トランプ革命”を日本の自立の好機とすべきであり、時代の潮流変化を見誤ることなく、対中強硬姿勢を鮮明にする同氏と手を携え、国のかじ取りをしっかりと行えば、日本や地域の安定は確保できると考えます。
また、就任演説で、貿易や税制、移民、外交の決定については、米国の労働者と家族に恩恵をもたらすようにすると明言しましたが、「メキシコ国境の壁建設」など、「米国第一」を公言する同氏がこれまで掲げてきた政策は極めて具体的です。政策の実行に責任を持つ政治が行われるものと期待します。
--今後、米中関係の緊張が増すと見る向きもあります
地域の安全保障において最大のリスク要因は中国の動向です。オバマ政権は経済・軍事両面での中国の台頭を許しましたが、この流れをトランプ氏は覆そうとしているといえるでしょう。政権の要職に対中強硬派を充てるなど、同氏は対中圧力を強める考えを示していますが、その姿勢は頼もしく映ります。
トランプ氏を牽制(けんせい)してか、中国は南シナ海で米海軍の無人潜水機を奪取したほか、空母「遼寧」を台湾海峡を通過させるなどしましたが、今後、米中関係の対立が深まる可能性は否定できません。中国が示威行為をエスカレートさせ、台湾や尖閣をめぐって不測の事態も生じかねないだけに、日本として相応の備えは必要です。
いずれにせよ、同盟の双務性を高め、日米同盟をしっかりと強化しつつ、憲法改正など、「自分の国は自分で守る」体制構築に力を尽くさねばならないと考えます。
--さて、韓国・釜山の日本総領事館前での慰安婦像設置を受け、日本政府が駐韓大使を一時帰国させましたが
早期帰任の声もあったようですが、慰安婦像が撤去されてからで十分ではないかと思います。そもそも慰安婦問題は事実無根の反日宣伝にほかなりません。言いがかりへの譲歩の必要はなく、日韓合意自体を見直すべきだというのが、私たちの立場です。日本政府として謝罪外交を終わらせるつもりでも、蒸し返されるのがオチだろうとは思っていましたが、その通りとなりました。
竹島への慰安婦像設置の動きもあるようですが、歴史認識をめぐるこうした対日攻勢に正当性を与えているのが、河野・村山両談話であり、安倍晋三首相による戦後70年談話です。慰安婦問題に終止符を打ち、日本の名誉を回復するには、自虐史観談話の撤回こそ必要だと指摘しておきます。
--日本は今後、経済、外交両面で難しいかじ取りを迫られそうです
率直に言って、安倍政権では心もとない限りです。翻って経済政策をみても、禁じ手とも言うべきマイナス金利に踏み込んだところで効果は出ておらず、頼みの綱の金融政策にも限界が出ています。
アベノミクスをめぐっては、かねて成長戦略の不発が指摘されてきましたが、カジノを日本経済の起爆剤としようとするのには賛同できません。国民に消費してもらいたいのでしょうが、ギャンブル依存症の増加や、マネーロンダリングの温床となりかねないなどの問題があるばかりか、カジノは射幸心を煽(あお)り、自助努力の精神を損なう恐れもあります。わが党はカジノ合法化に反対です。
--来月からは、月末の金曜日を午後3時終業とする「プレミアムフライデー」が始まります
消費喚起に向けた窮余の一策なのでしょうが、そもそもデフレマインドが払拭できないのは、未来への展望が開けないからです。「日本の繁栄は揺るがない」という先行きへの確信が持ててこそ、成長への道筋も見えてくるはずです。増税路線や賃上げ要請など、安倍政権は国家社会主義的な政策を進めていますが、民間への介入を強める姿勢から脱却しないことには、民間主導の成長など到底実現できません。大胆な減税や規制緩和といった、わが党の唱える「自由からの繁栄」に向けた政策を遂行してこそ、持続的な経済成長も可能だと確信します。
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【プロフィル】釈量子
しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。
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