トランプ氏、就任1週間 大統領令はや12本、次は国連拠出金か

 

 ■メキシコの壁署名 「支払い拒否なら会談中止」

 【ニューヨーク=上塚真由、ロサンゼルス=中村将】トランプ氏が米大統領に就任してから27日で1週間となる。就任直後から移民や通商、エネルギーなど多岐にわたる政策で大統領令を連発しており、25日までの6日間で12本に署名。公約実現を急ピッチで進める異例の事態に、国内外で波紋が広がっている。

 トランプ氏は25日、メキシコからの不法移民流入防止のため、「壁」の建設を指示する大統領令に署名し、「国境のない国家は国家ではない。米国は今日から国境を取り戻す」と述べた。国境警備隊の5千人増員や、国境で拘束した不法移民の強制送還手続きの迅速化も命じた。

 メキシコのペニャニエト大統領は「残念であり、非難する」との声明を発表。トランプ氏は壁の建設費用は米国が当初は負担しても、いずれメキシコ側に支払わせると主張しており、31日に予定されているペニャニエト氏との首脳会談についても26日、費用の支払いを拒否するなら「会談を中止する方がよい」と自身のツイッターに投稿した。

 また、トランプ氏は米国内にいる不法移民の摘発強化に関する大統領令で、意図的に不法移民取り締まりに寛容な政策をとる自治体を批判。こうした「聖域自治体」が補助金を受け取れない措置を講じるよう命じた。また移民管理当局を1万人増員するとしている。

 大統領令をハイペースで量産する背景には、オバマ前政権の政策を次々に変更し、自らの実行力をアピールする狙いがありそうだ。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、トランプ氏が国連などへの拠出金削減と、一部の多国間条約からの離脱を目指す2つの大統領令を検討していると報道。条約の中には、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が含まれる可能性があるとした。

 テロ容疑者に対する尋問方法の強化も取り沙汰されている。25日放送の米ABCテレビのインタビューでは、国際的な批判を受けてオバマ前大統領が禁止した水責めによる尋問について、「絶対に有効だ」と述べた。復活させるか否かの判断は、マティス国防長官やポンペオ米中央情報局(CIA)長官らに委ねるとしている。

 ロイター通信によると、トランプ氏は週内にもテロ対策として、シリアやイラクなど中東・アフリカの7カ国のビザ(査証)発給を一時停止する大統領令に署名する意向という。

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【用語解説】米大統領令

 立法手続きを経ずに米大統領が直接、連邦政府機関や軍に発する命令。議会は大統領令の内容を覆したり修正したりする法律を制定することで対抗できる。憲法に反する内容の場合は、最高裁が違憲判断を示し無効とすることもある。 (共同)