FRBに圧力も予想される イエレン議長、レームダック化の懸念も
米連邦準備制度理事会(FRB)は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送ったが、今後はトランプ大統領からの圧力との戦いも予想される。トランプ氏の金融政策に関する見解は定まらないものの、イエレン議長に不信感を抱いていることは確かだ。2018年2月に任期が終わるイエレン氏がレームダック(死に体)化する可能性もある。
トランプ氏は大統領選中からイエレン氏を公然と批判してきた。昨年9月には「オバマ大統領の意向に沿った超低金利のせいで、預金者はほとんど利息をもらえない」と述べ、FRBの低金利政策を問題視した。
しかしトランプ氏は利上げを求めているわけでもなさそうだ。トランプ氏は同じ9月に「今は巨大で太った醜いバブルの最中にある」「FRBが利上げすれば、非常に悪いことが起こる」と述べている。
金融界にもFRBによる利上げへの警戒感はある。著名投資家のビル・グロス氏は1日のインタビューで、経済成長のためには弱いドルが必要だと述べ、「そのためには金利を引き上げないことだ」と指摘。トランプ氏自身もドル高が米国の輸出企業にとって逆風になると繰り返しており、FRBの利上げを快く思わない可能性もある。
一方、イエレン氏がトランプ政権下での利上げを見据えていることは間違いない。イエレン氏は、景気過熱を回避するためには政権の意向に逆らってでも利上げすることが重要との立場をとり、「中央銀行が政治からの独立を維持することの重要性を強く信じている」と訴えてきた。
また、トランプ氏の歳出拡大路線がインフレリスクを高めるとも分析しており、FRBは年内に3回の利上げを見込んでいる。
トランプ氏はイエレン氏の再選を求めないとしており、米紙ウォールストリート・ジャーナルは「夏の終わりまでにはトランプ氏が後任を指名する」と示唆している。後任の名前が浮上すれば、金融市場の注目がイエレン氏から離れ、FRBの金融政策運営が不安定化する恐れもある。(ワシントン 小雲規生)
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