トランプ氏の機嫌直せるか? 米への経済協力案が判明 インフラ投資やAIが軸
トランプ米大統領(AP)
政府が10日の日米首脳会談に向けて検討している経済協力案の概要が2日、分かった。インフラ投資や人工知能(AI)などの研究開発を中心にした包括的な政策案を通じて、米国内の雇用創出につなげる。対日貿易赤字に対するトランプ米大統領の不満をかわす狙いがあるが、思惑通り関心を引けるかは不透明だ。
「日米成長雇用イニシアチブ」と題した政策案ではインフラ投資が中核を占める。まず米国内では、テキサス州やカリフォルニア州で実現を目指す高速鉄道の整備計画を促進。また、米国以外の第三国でも、米国産シェールガスの輸出拡大につながるLNG(液化天然ガス)市場の開拓や、原子力発電の売り込みを日米共同で実施する。
「第4次産業革命」と呼ばれるAIやロボットといった先端技術でも共同研究に取り組み、医療や自動運転、老朽化したインフラ設備の点検などで連携する。トランプ氏が強い関心を示すサイバー攻撃の防止でも情報共有を進める考えだ。
政府が包括的な政策案を示すのは、トランプ氏が要求する2国間通商交渉を見据えて信頼醸成を図るのが狙い。また、「米国第一主義」を掲げ日本への批判を繰り返すトランプ氏の圧力から標的になった自動車産業などを守る思惑もある。
トランプ氏は日本の自動車市場が閉鎖的だと名指しで攻撃する。ただ、日本は輸入車の関税を既に撤廃し、安全規制などの「非関税障壁」でも配慮を重ねてきた。国内市場の開放で打てる手はほとんどない。
安倍晋三首相は首脳会談で、日本の自動車産業が米国で100万人以上の雇用を創出していると説明し、さらなる貢献をアピールすることで理解を求める。ただ、経済官庁幹部は「何か一つでも心に留まればいいが」と不安を漏らしており、米側から追加要求を突きつけられる恐れもある。
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