NAFTA再交渉、自動車関税・乳製品に照準 トランプ氏の思惑
トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に改めて意欲を示したが、その思惑は明らかではない。ただしメキシコからの自動車輸入の多さを問題視していることは明確で、関税減免のための条件の厳格化などを狙っているとみられる。一方、カナダに対しては乳製品などの市場開放をめぐる問題が浮上しそうだ。
トランプ氏は2日、議員団との会談で「NAFTA見直しでも、新しいNAFTAでも構わない。しかし公平な内容であるべきだ」と述べたが、具体的な内容には言及せず。交渉をまかせる商務長官候補のロス氏については「他国に対しても公平だ」と話した。
対メキシコ交渉でトランプ氏の胸中にあるとされるのは自動車の原産地規則の厳格化だ。NAFTAでは部品の62.5%以上が域内製であれば関税減免を受けられるが、この比率を引き上げて、メキシコ製自動車の輸出を押さえ込むことや、日本などの域外製ではなく米国製の部品の利用促進を狙おうという思惑が見え隠れする。
また、カナダに対しては乳製品などの市場開放を求める可能性がある。批判の標的になるのは、米国からの輸出を阻む要因とみられているカナダの供給管理制度だ。一部には、カナダから米国への木材輸出を減らそうとするのではないかとの見方もある。
こうした米国の要求に対して、メキシコは米国にビザ発効の拡大や輸出手続きの簡素化などを求めるとの観測がある。しかし国境管理を厳格にすると主張してきたトランプ氏との交渉は難航する可能性が高い。
一方、カナダは、米国との貿易関係が均衡していることを理由に現状からの大きな変更を望んでいない。カナダメディアによると、カナダ政府は再交渉に関して、NAFTAを複数の2国間協定に組み替えることも視野に入れているという。
トランプ氏は両国にNAFTA離脱も辞さない姿勢を示して強い圧力をかける考えだ。ただし両国との通商問題は、両国がともに参加している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で着地点を見つけ出したはず。トランプ氏がTPPからの永久離脱を表明しながらNAFTA再交渉を迫る姿勢には「一貫性がない」との指摘も出ている。(ワシントン 小雲規生)
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