中国の外貨準備高3兆ドル割れ 円高圧力で日本経済減速も 爆買い失速懸念
7日発表された1月末の中国の外貨準備高が3兆ドルを下回ったのは、急激な人民元安を食い止めようと中国当局が外貨準備を取り崩し、ドル売り元買いの為替介入を繰り返したためとみられる。ただ、このまま取り崩しが続けば中国経済に対する市場の不安が強まり、逆に円高元安圧力が強まりかねない。日本からの輸出を下押しするなどし、日本経済の減速要因になる可能性もある。
7日の外国為替市場での円元相場は、1元=16円台で取引された。2年前の2015年2月初めは18~19円台、1年前の16年初めは17~18円台。中長期的に円高元安が進んでいる。
この背景にあるのは、中国経済の先行き不安から、企業の資本が海外に流出していることなどだ。外貨準備の減少が止まらないのは、過度な元安を食い止め、為替相場の安定を図るという中国当局の思惑がある。
ただ、今後も外貨準備が減り続ければ、「『当局がそこまで必死なのは、中国経済の悪化が深刻だからだ』との懸念が市場で高まり、円高元安が加速しかねない」(メガバンク系エコノミスト)。
そうなれば、対中輸出額が年間13兆に上る日本経済にも悪影響が出る。製造業を中心に企業の円高元安への不安は強く、建設機械メーカー大手コマツは元に対し1円の円高になると、営業利益が年間で3億円消えると試算している。
さらに懸念されるのは、円高元安になれば、相対的に日本の物価が高くなり、「中国人客による『爆買い』が失速する恐れがあることだ」(同)。
観光庁によると中国人を中心とする訪日外国人客の16年の1人当たり消費額は前年比11.5%減の15万5896円。円高や、中国当局が海外で購入した土産物への関税を高くした影響などで、すでに減速している。
円高元安が今後進めば、こうした傾向に拍車がかかるのは必至。訪日客数全体の伸びを鈍化させ、日本の成長戦略を狂わせかねない。(山口暢彦)
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