韓国のユニバーサルスタジオ誘致が結局失敗 これまでもことごとく頓挫 今回は中国に押され負け?

 
「ユニバーサル・サプライズ・ハロウィーン」のプレスプレビューイベントで、仮装してパーティーを楽しむ人たち=9月8日午後、大阪市此花区(寺口純平撮影)

 昨年の今頃、韓国メディアに「韓国はテーマパークの墓場か」という見出しが躍った。過去20年来、米ハリウッド映画を題材にしたテーマパークの建設計画がことごとく頓挫してきたことを皮肉ったものだった。歴史は繰り返す。先月、韓国水資源公社が推進していたユニバーサルスタジオの韓国誘致事業が結局失敗に終わったことが判明した。朴槿恵(パク・クネ)大統領が選挙公約に掲げたことで、一時暗礁に乗り上げたものが再度推進されるという経緯があったが、朴氏の失脚で完全に立ち消えた。韓国では、2020年のオープンを目指す北京ユニバーサルスタジオ計画に負けたとの見方も出ている。

幻となった「USK」

 韓国紙の中央日報や聯合ニュース(いずれも日本語電子版)などによると、韓国水資源公社が推進していたユニバーサルスタジオの韓国誘致事業が結局失敗に終わったという。関係者はさぞ悔しい思いをしているに違いない。現在絶好調の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)」の“復活劇”を受け、韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)が昨年、「『テーマパーク衰退論』を覆した日本」とのコラムを掲載するなど、期待感とともに日本への対抗心が高まっていた。

 中央日報によれば、韓国水資源公社は1月16日、京畿道華城市の松山グリーンシティに推進中の国際テーマパーク事業に関連し、事業優先交渉対象者のユニバーサルスタジオコリア(USK)コンソーシアム側と事業協約交渉を終了すると明らかにした。 

 双方は先月12日に会合を持ち事業協約延長に向けて意見の最終調整を行ったものの、立場の違いを埋められないまま終了したことが分かった。最大の争点は、ユニバーサルスタジオの版権を持つ米ユニバーサル傘下のユニバーサルパーク&リゾート(UPR)の事業参加を確認できなかったためだったという。

中国に押され結局失敗?

 2012年に事業費調達問題で一度暗礁に乗り上げていた韓国のユニバーサルスタジオ誘致事業は、朴槿恵大統領が選挙公約に掲げたことで再度推進された経緯がある。2020年までに5兆ウォン(約4800億円)以上を投じてユニバーサルスタジオや韓流テーマパーク、ウオーターパークなどで構成された国際テーマパークを造成する計画だった。

 だが、誘致は失敗した。中央日報は、失敗に終わったのはUPRが韓国に進出することを敬遠したためとの分析を紹介している。USKコンソーシアムはユニバーサルスタジオの版権を確保するためUPRと交渉をしてきたが成果を上げられなかった。

 これについて韓国水資源公社の関係者は「2020年のオープンを目標に進めている中国の北京ユニバーサルスタジオ事業と重なることが韓国への進出をためらう理由とみられる」と指摘。そのうえで、コンソーシアムは事業費2兆ウォンを金融業界から確保できなかったと、水資源公社は説明している。

 選挙公約に掲げて大統領に当選した朴槿恵氏は現在、長年の友人である崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入疑惑を受けて職務停止中の身だ。すでに実権はなく、USK計画は朴氏失脚とともに消えたとの印象もある。

「テーマパークの墓場か」と言われても…

 韓国では20年以上も前から、パラマウントやMGMなどハリウッド映画会社のテーマパークの建設計画が発表されてきたが、実現したものは1つもない。朝鮮日報はかつて、いずれも2008年のリーマン・ショックに伴う資金難と国内事業者との摩擦で困難に陥ったと指摘し、韓国について「テーマパークの墓場か」と皮肉った。

 だが、それでも韓国政府はテーマパークへのこだわりを捨てきれないでいる。中央日報によると、韓国水資源公社はディズニーワールドやシックスフラッグスなど他の国際テーマパークを誘致する案を模索することにしたという。華城市の副市長も「テーマパーク事業が正常化するよう水資源公社など関係機関と継続して努力したい」と話す。 

 だが、専門家らは否定的だ。京畿大学観光開発学科のコ・ドンワン教授は中央日報の取材に対し、「中国・上海に昨年6月ディズニーランドがオープンし、さらに北京にユニバーサルスタジオができるのに、韓国に投資しようとするグローバルテーマパークがあるのか疑問」と指摘する。

 訪日外国人客で絶好調であるUSJにあやかりたいという気持ちがわからないわけでもないが…。