個人情報の匿名化を例示 政府、ビッグデータ売買で報告書

 

 クレジットカードの利用や鉄道の乗降履歴などのビッグデータを企業が安全に売買するため、政府が個人情報の匿名化に関する報告書をまとめたことが28日分かった。個人が特定できないよう情報を加工する具体例を示した。企業のルール作りの参考にしてもらい、ビッグデータが円滑に利用される環境を整える。報告書は、5月30日の改正個人情報保護法の施行を念頭に、政府の個人情報保護委員会がまとめた。

 施行により個人を特定できなくする「匿名加工情報」は一定の要件を満たせば、本人から同意を得なくても企業間で自由に売買できるようになる。悪質な違反があれば、個人情報保護委員会が報告を求めたり、立ち入り検査したりすることもある。

 これまでも一部企業による大量の顧客データの取引はあったが、法律上の定めがなかった。法改正で明確な基準を設けることで消費者の不安を和らげ、企業には新しい商品やサービスに役立ててもらう。

 報告書は、クレジットカードの利用や鉄道、バスの乗降の履歴、電力のスマートメーターによる電力利用量、自動車の移動、レジの販売実績で具体例を示した。例えばカードの利用履歴の場合、顧客の年収は300万円単位で区分し、勤務先は職種に置き換える。限定品や超高級品の購買実績は、個人の特定につながる恐れがあるため削除する。共通的なルールも設けた。個人が特定できる氏名、電話番号、カード番号などは削除し、住所は市区町村以下を省き、年齢は10歳刻みの年代で表現するよう提案した。