G20 反「保護主義」堅持へ駆け引き 共同声明案の文言めぐり衝突も

 

 17日開幕の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議はトランプ大統領が就任して初の会議となる。トランプ氏が「米国第一」を強める中、G20がこれまで世界経済の成長の前提として確認してきた「保護主義への対抗」を堅持できるか、各国の駆け引きが続いている。

 ムニューシン米財務長官は会議を前にした16日の記者会見で「いくつかの国との貿易不均衡に対処したい」と述べ、米国にとって不公平な通商関係の是正に意欲を示した。米国が貿易赤字を抱える中国や日本、ドイツ、メキシコなどが念頭にあるとみられる。

 G20はこれまでの首脳宣言などで、自由貿易の推進を掲げ、「あらゆる形態の保護主義に対抗する」と確認してきた。1930年代に保護主義が広がったことで、世界恐慌を悪化させた教訓もある。

 だが、トランプ政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を決め、貿易や投資に関する多国間ルールに反対姿勢を示す。自由貿易を否定するわけではないが、自国に「公正な」貿易を主張し、各国に懸念が広がっている。

 会議の前には、ロイター通信などが、共同声明案から保護主義を明確に否定する表現などが削除されたと報じた。「議長国のドイツが米国に配慮したため」(国際金融筋)とみられるが、他の文言をめぐっても米国の要求に欧州諸国などが反発しているとされる。

 このため、声明文の調整は18日までもつれこむ可能性がある。米当局の態勢が整っていないとして、貿易に関する議論を7月の首脳会議に持ち越すとの見方も浮上している。

 国際通貨基金(IMF)の経済見通しによると、世界全体の成長率は2017年が3.4%、18年は3.6%と堅調だ。ただ、IMFは14日の報告書で「グローバル経済の恩恵を最大化するのはルールに基づいた多国間の貿易の枠組みだ」とくぎを刺した。

 フランスやドイツなどでは選挙も予定されており、世界的に保護主義的な動きが広がることになれば、貿易が停滞し、成長が鈍化する恐れがある。(バーデンバーデン 中村智隆)

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 ■IMFの世界経済見通し(2017年1月)

 (17年/18年)

 ・世界全体

  3.4(0.0)/3.6(0.0)

 ・日本

  0.8(+0.2)/0.5(0.0)

 ・米国

  2.3(+0.1)/2.5(+0.4)

 ・ユーロ圏

  1.6(+0.1)/1.6(0.0)

 ・英国

  1.5(+0.4)/1.4(-0.3)

 ・中国

  6.5(+0.3)/6.0(0.0)

 ※国内総生産(GDP)の対前年伸び率%。カッコ内は16年10月時点との比較。+は上方修正、-は下方修正