セウォル号の船体の一部が浮上 沈没から3年、陸揚げ調査へ

 
韓国南西部、珍島沖合で2014年4月に沈没した旅客船セウォル号の引き揚げ作業で、海上に浮上した船体の一部=23日(AP)

 【珍島=桜井紀雄】韓国南西部の珍島(チンド)沖で2014年4月に沈没した旅客船セウォル号の引き揚げ作業で、23日未明、船体右舷の一部が海面に浮上した。高校の修学旅行生ら295人が死亡、9人が行方不明となった韓国史上最悪規模の事故から3年。韓国政府は船体を陸揚げし、行方不明者の捜索を行う方針。

 船体には、ダイバーによる行方不明者の捜索で開けられたとみられる多くの穴も見られ、“傷痕”の大きさをうかがわせた。

 この日は、海面から13メートルの高さに持ち上げる作業が続いた。半潜水式の運搬船に移し替え、最終的に約87キロ離れた木浦(モクポ)の港まで運んで陸揚げする。作業完了には約2週間を要する見通し。

 セウォル号は、深さ約44メートルの海底に横倒しで沈んでいた。22日から2隻の大型台船の油圧ジャッキで、船体下の台座とつないだ計66本のワイヤを巻き上げる本格的な作業に入った。

 遺族や行方不明者の家族らは、現場近くの船上などで夜通し作業を見守った。