仏大統領候補のマクロン氏、ゴーン氏と「因縁」 ルノーめぐり対立、再燃も?
マクロン前経済相
7日に迫ったフランス大統領選の決選投票で優勢とされる中道系のマクロン前経済相(39)と、同国自動車大手ルノーの最高経営責任者(CEO)であるゴーン氏(63)との「因縁」に注目が集まっている。フランス政府のルノーに対する経営関与などをめぐり、対立した経緯があるためだ。
にらみ合いが再燃すればルノーと連合を組む日産自動車と、日産が傘下に収めた三菱自動車を含むグループの経営戦略に影を落とす恐れもある。
「政府が株式の放出を決めた日に全て(の選択肢)がオープンになる」。2016年末時点でルノー株の19.74%を保有するフランス政府に対し、ゴーン氏は今年2月に売却を求め、実現した場合に日産とルノーの資本関係を強化する可能性に言及した。
背景には、ゴーン氏のフランス政府への不満がある。ルノーは15年の株主総会で、株式を長期保有する株主の議決権の倍増を認める法律の適用阻止を画策。これに対し、政府は事前にルノー株を買い増して議案を否決に追い込んだ。この時期に経済相を務めていたのがマクロン氏だ。ゴーン氏の報酬を高額すぎると非難し、「見直さない場合は法的措置も辞さない」と警告したこともある。
同じく決選投票に進んだ極右、国民戦線(FN)のルペン候補が唱える輸入品への関税上乗せといった保護主義には経済界の反発が強いのは確かだ。だが、マクロン氏の経済相時代の「介入主義」(市場関係者)に警戒する向きも少なくない。(ロンドン 共同)
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