最年少大統領の誕生に沸くパリ市民 「第9」で歓喜、揺れる三色旗

 
7日、パリのルーブル美術館前の広場に集まったエマニュエル・マクロン氏の支持者ら(ゲッティ=共同)

 【パリ=三井美奈】フランス大統領選で勝利したマクロン前経済相は7日夜、パリ中心部ルーブル美術館前で行った演説で「フランスが勝利した。私は共和国を守る」と決意を表明した。支持者数千人がフランスの三色旗や、青い欧州連合(EU)旗を振って「マクロン、マクロン」と歓声をあげた。

 マクロン氏は、EUの歌であるベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」が流れる中、美術館前に立つガラスのピラミッドを背に登壇。両腕をあげて勝利の喜びを表現した。

 極右「国民戦線」のルペン候補に投票した有権者たちについて、「彼らは怒りや苦難を表現した。信念を抱く人もいるだろう。私はみんなを尊重し、彼らが過激派に投票する理由がなくなるように全力を尽くす」と述べた。

 さらに、「大きな仕事が待っており、明日から取りかかる。われわれの民主主義を守り、経済を改革する。欧州を強固にし、すべてのフランス人の安全を守る」と主張。演説後はブリジット夫人と手をつないで支持者に応え、会場は国歌ラ・マルセイエーズの大合唱に包まれた。

 大統領選ではこれまで、中道右派「共和党」が勝った場合は大統領府に近いコンコルド広場、社会党が勝利した場合は東部にある左派の拠点・共和国広場で勝利集会を開くのが通例だった。マクロン氏は、双方の間に位置する仏文化の象徴、ルーブル美術館を集会会場に選んだ。

 支持者たちは投票が締め切られた午後8時(日本時間8日午前3時)前から会場に集まった。39歳の青年大統領への期待から若者の姿が目立ち、大学生イレナ・バレッタさん(18)は、「EUを極右から守らねば、という思いでマクロン氏に投票した。若い大統領なら、しがらみにとらわれず、国を変えてくれるはず」と興奮気味に話した。

 アルジェリア系2世の雑貨店員カメル・ナイトサイディさん(20)は、「ルペン氏が決選投票に進んだのは、国民の怒りの表れだと思う。失業が広がり、テロの不安が続くのに、オランド大統領の社会党は内輪もめばかりで何もできなかった。マクロン新大統領には若い力で経済を改革して欲しい。不法移民を取り締まり、国民を安心させて欲しい」と訴えた。

 ルーブル美術館に近いシャンゼリゼ通りでは約2週間前に警官銃撃事件が起きたばかりで、周辺は数メートルおきに警官が配置され、厳戒態勢が敷かれた。