豚肉関税、TPP合意水準に 日欧EPA交渉で最終調整
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、豚肉の関税を環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の合意水準まで引き下げる方向で最終調整していることが14日、分かった。脱脂粉乳やバターは低関税の輸入枠を設けることを調整している。輸入増加に伴い国内の畜産・酪農業界に影響が出るのは必至で、政府、与党は支援策を検討する。
農産物の交渉は徐々に間合いを詰めているが、欧州側が一段の引き下げを求めるチーズやワイン、木材などは依然難航。東京で開催される見通しの首席交渉官会合に向け、協議はヤマ場を迎えている。
TPPでは、従来の差額関税制度を維持した上で、安い豚肉に課す1キロ当たり最大482円の関税を50円に引き下げ、高価格帯の4.3%の関税を撤廃する。対欧州でも同様の水準で調整している。欧州はTPPを超える引き下げを求めたが「何とか折り合えそうだ」(交渉関係者)。
一方、TPPで各国に7万トン(生乳換算)の低関税輸入枠を設けた脱脂粉乳・バターも、関税撤廃はせず同様の仕組みを準備する。規模は調整中だが、輸入枠内の税率はTPPと同水準になりそうだ。
脱脂粉乳・バターは世界貿易機関(WTO)の枠組みで決まった13.7万トンの国家貿易枠があるが、国内生産では足りず毎年10万トン以上を追加で輸入している。政府はTPPでの輸入枠と合わせてこの範囲内であれば、国内への影響は低いとみて慎重に交渉している。
一方、欧州の最大の関心事はナチュラルチーズ(現行関税29.8%)だ。TPPではブルーチーズなどの関税削減で合意したものの、欧州は広範なチーズの自由化を求めている。競争力のある木材やワインの引き下げ圧力も強めている。
安倍晋三首相は13日に、山本有二農水相に日欧EPAの大枠合意を見据えた国内対策を指示した。自民党農林議員は「各分野で一定の譲歩を迫られた場合、予算的な支援は必須だ」と指摘している。
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