築地・豊洲共存 小池節に切れ味なし 質疑応答わずか5分
■「最終決定するのは都議会」
市場移転問題について豊洲への移転と築地再開発の方針を表明した東京都の小池百合子知事。この日の会見時間32分のうち質疑応答はわずか5分足らず。工程や財源については、明らかにしなかった。「最終的に決定するのは都議会」とも述べるなど、曖昧な説明に終始した。
「将来への責任、後世へのツケに真正面から応えられる計画がなかった。市場のあり方を総点検したおかげで、さまざまな選択肢が出てきた」。20日午後3時半から東京都庁で始まった会見の冒頭、小池氏はまずこう語った。
この後、豊洲への移転と築地再開発という「両立プラン」を示した小池氏。詰めかけた多くの報道陣からは「移転後、市場機能を築地に戻して市場が2つということになるのか」「追加される税金はいくらになるのか」など具体的な説明を求める質問が相次いだ。
市場機能の将来像について小池氏は「豊洲は新たな中央卸売市場としての機能を優先させるが、築地も転換期にあるので市場機能を確保できる方策を見いだしていきたい」と、あくまで「両立」の回答。記者から「市場機能の一部が築地に復帰するということなのか」と追及されると「いろいろな選択肢があるかと思う」と明言を避けた。
工程や財源などについても不透明さを残した。小池氏は「詳しい日程等々は、それこそ市場関係者と詰めないといけない」「さまざまな方法を考え、ベストなワイズスペンディング(賢い支出)でいきたい」と独自色を出そうとしたものの生煮え感は拭えなかった。
質問の手は続々とあがっていたが、小池氏は「公務の都合」として計32分間の会見のうち質疑を約5分で打ち切り一礼して降壇。「知事、大事な問題なのでもう少し質疑応答をやりませんか」などと記者から会見の継続を求める声もあがったが、小池氏は口元に笑みをたたえたまま、無言で会見場を後にした。
小池氏は公務の後、報道陣に「定例会見でもしっかり答えたい。ただ豊洲に移せばいいという単純な議論ではないということで今日は提案させていただいた」と述べた。
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■森氏安堵感「やれやれ」
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、環状2号線を大会時の選手村と競技会場などを結ぶ幹線道路と位置づけ、築地跡地は関係車両の駐車場とする計画を立てており、小池百合子知事に早期決断を要望してきた。
森喜朗会長は「やれやれという気持ち」と安堵(あんど)感をにじませつつも、小池氏が「五輪前に開通させる」とした環状2号線について「どういうものかわからないと対応しようがない」とも述べ、具体的な整備計画の早期提示を求めた。また、「なぜこの結論を出すのにこんなに時間がかかるのか」とも語った。
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