ベトナム、外資によるM&A総額倍増 17年1~5月18億ドル 市場参入に効率的
ベトナムは、外国企業による地場企業へのM&A(企業の合併・買収)が活発化している。同国計画投資省外国投資局によると、2017年1~5月の外国企業によるM&A総額は18億ドル(約2004億円)に達し、前年同期と比べ倍増した。外国企業がM&Aを通じて同国に参入する動きが強まっているもようだ。現地紙サイゴン・タイムズなどが報じた。
同期の外国企業によるM&A件数は合計2016件に上る。参入分野は建設・不動産業や製造業、サービス業など多岐に渡る。
タイの複合企業サイアム・セメント・グループは今年3月、地場セメント会社のベトナム・コンストラクション・マテリアルを1億5600万ドルで買収した。同月は、韓国の食品大手CJチェイルジェダンも地場食品加工会社を買収している。同社は過去1年間に地場食品メーカー3社を買収したことになる。
建設・不動産分野では、大型商業施設や住宅、ホテル、工業団地などの建設事業への参入をはじめ、既存の不動産経営への関与を強める外国企業が増えている。シンガポールの不動産大手ケッペルランドは今年3月、傘下企業を通じてベトナム最大都市ホーチミンで進めている不動産開発事業を加速するため、地場合弁企業への出資比率を引き上げたことを明らかにした。
米不動産サービスのジョーンズラングラサールのベトナム法人は、ベトナムの不動産分野での外国企業による地場企業のM&A総額は今年、過去最高を更新すると予測する。
在ベトナム欧州商工会議所は、多くの外国企業がベトナム市場への参入や事業拡大を図るうえでM&Aが最も効率的な手段とみなしていると指摘、この傾向は来年にかけて続くとの見解を示した。
専門家は、ベトナム政府が投資環境の改善などを図っていることなども、外国企業によるM&Aを後押しするとの見方だ。政府は、地場上場企業に対する外資出資制限を原則的に撤廃したほか、国営企業の民営化を加速させるために政府保有株の売却を進めている。(シンガポール支局)
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