チーズ関税どうなる? 30日から閣僚会談
日欧EPA大詰めを迎えた日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は、日本のチーズ関税をめぐり厳しい折衝が続いている。EUが全品目の原則撤廃を要求しているのに対し、日本は一部の市場開放にとどめたい考え。日欧は30日からの開催で調整している岸田文雄外相とマルムストローム欧州委員(通商担当)の閣僚会談で打開を図りたい考えだが、落としどころを見つけられるかは不透明だ。
「今週から来週にかけ大変重要な時期なので、閣僚クラスで意思疎通を図らなければならない。大事なところでは顔を合わせたい」
岸田氏は28日、東京都内の講演でこう述べ、閣僚会談に意欲を示した。日欧は7月6日の開催を見込む首脳会談での大枠合意を目指し、閣僚同士で事前に難航分野の打開を図る考え。
19日から始まった首席交渉官会合ではルール分野や豚肉などの関税交渉で進展がみられるものの、EUが「日本におけるコメのような重要度」(自民党幹部)で一歩も引かないチーズの関税をめぐっては、「妥結にふさわしい状況とはとてもいえない」(交渉筋)。
日本は市場開放を環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の水準に抑える構えで、特に「フレッシュ」「ソフト」など生産者への影響が大きいナチュラルチーズでは関税を守ろうとしている。
ただ、EUは、今交渉では「TPPのようにコメの市場開放は争点になっていない」として、チーズで譲歩を迫っているもようだ。
EUは世界最大のチーズ産地。日本への輸出拡大に執念を燃やすのは、最大のチーズ輸入国であるロシアがウクライナ問題を受けて欧州産を禁輸したことで、製品が余っているためだ。日本は2番目の輸入国だがチーズの需要は伸びており、ブランド力が高い欧州産を売り込みたい考え。
一方、国内のチーズ原料となる加工用牛乳は8割以上を北海道で生産しており、欧州産に市場を奪われれば地域経済に与える影響は大きい。チーズの成長産業化に向け補助金や技術指導などで支援してきた農林水産省の幹部は「欧州から安いチーズが入って若手酪農家が辞めてしまったら、何のための改革か分からない」と嘆く。
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