日欧EPA閣僚協議 ワイン規制緩和で調整
会談する岸田外相(右手前から3人目)とEUのマルムストローム欧州委員(左手前から4人目)=30日午後、東京都港区の飯倉公館(代表撮影)
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は30日、岸田文雄外相とマルムストローム欧州委員(通商担当)らによる閣僚協議が始まった。欧州産チーズと日本車の関税撤廃など、懸案の政治決着を図る。これまでの協議で、欧州産ワインの関税を即時撤廃する代わりに、日本産ワインに対する欧州の輸出規制を緩和する方向で調整していることが分かった。
「難しい課題が残っている。厳しい交渉になると思うが、全力を尽くしたい」
岸田氏は協議の冒頭でこう述べ、欧州側に協力を呼びかけた。対するマルムストローム氏は「私を信頼してほしい。総合的な合意に数日間で到達できる」と請け負った。
閣僚協議は1日まで行われる。日欧は6日にもブリュッセルで首脳会談を開き、大枠合意する方向で調整しており、協議がまとまらなければ岸田氏が渡欧する可能性もある。
関税交渉では、EUの要望を受け入れ日本がボトル1本当たり約93円のワイン関税を発効と同時に撤廃する方向だ。チリ産ワインの関税が日本とのEPAに基づき2019年に撤廃されるため、競争環境を整える。
欧州にワインを輸出する際の規制も緩和を図る。国産ブドウは糖度が低く、ワインを造る際に糖分を加えることが多い。EUは補糖の量を制限しているが、EPA発効後は、日本ワインとして輸出する場合は一定量が認められる見通しだ。
一方、チーズの関税では協議が難航している。EUは日本が関税を守りたいソフトチーズを含む全品目で原則撤廃を要求。逆に日本がチーズで譲歩すれば、日本車の関税を早期に撤廃する構えで、綱引きが続く。
建設事業などで国際入札を義務付ける地方自治体の対象拡大や、地理的表示(GI)をどこまで保護するかでも隔たりがある。
関連記事