G20 税逃れ対策 求められる包括的取り組みの強化
ドイツ北部ハンブルクで始まったG20首脳会議=7日(AP)
G20首脳会議では、タックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」流出で明らかになった課税逃れの対策を協議。非協力的な国・地域を特定する「ブラックリスト」が公表され、カリブ海のトリニダード・トバゴが登録されたようだ。今回、1カ国にとどまったのは、各国がリストに載らないよう体制整備を急いだためだが、どこまで実効性があるかは見通せない。1カ国しか対象にならないような現在の基準の見直しも今後の課題になる。
7日の会議では、国際的な租税回避や脱税への協調した対処に向けた取り組みの推進の重要性などを確認。ブラックリストが報告され、今後改善が見られない場合の制裁措置などについても協議されたとみられる。
リストは、経済協力開発機構(OECD)が脱税阻止に向け新たに作成した。昨年6月に京都市で開いたOECDの租税委員会で、脱税対策に非協力的な国・地域を特定する基準を定めた。銀行口座の情報交換に非協力的な国・地域をあぶり出し、特定するのが目的で、トリニダード・トバゴは基準の一つである「要請に基づく情報交換」への対応が不十分だと判定されたようだ。
ただ、これまでタックスヘイブンと疑われてきたケイマン諸島など他の国・地域は今回の登録からは除外された。財務省幹部は「多くの国で基準を達成する改善が見られたことに、リスト政策の意義がある」と強調した。だが、「基準発表から1年間で大幅な改善ができているかは懐疑的な部分もある」(経済官庁幹部)との見方もある。
海外の駐在員に税制優遇を与える国などもあり、タックスヘイブンを取り締まるだけでは悪質な課税逃れに対応できない。G20やOECDと協調した、包括的な取り組みの強化が求められる。(西村利也)
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