「ガラスの天井を壊す道は、まだ半ば」
蓮舫代表辞任会見・詳報(5)《蓮舫代表の辞任記者会見は終盤に入った。蓮舫氏は自身が考える「保守」の理念を語り、民進党の特徴ともいえる執行部と反執行部の壁についての認識も明らかにした》
--先日の両院議員懇談会で野田佳彦幹事長が辞任を表明した。蓮舫体制を守りたいがための決断という声もある。どのように感じたか。野田氏にご自身の辞意を伝えたとき、どういう言葉があったか
蓮舫氏「前段の部分ですけども、直接的に幹事長の重い決断があったから、私の判断というわけではない。やっぱり多様な声を受け止めて、多様な選択材料を自分の中で1人で勘案して出した結論です。その中の一つに今、言った部分はありますけども、これが直接の引き金ではない」
「後段の部分は昨日、野田幹事長に電話してご報告して、話をしたところです。その中身については、ここで話すことではないと思います」
--新執行部人事について直接、間接含めて打診もしていないのか
蓮舫氏「人事には直接手を出していません」
--昨年9月の代表就任時に、いばらの道かもしれないが、ガラスの天井を壊していきたいとおっしゃっていた。振り返って、ガラスの天井をどこまで壊せたか
蓮舫氏「はい、まだ道半ばです。まだまだ目指したいと思っています」
--支持率が下がっている安倍晋三政権に最後に言いたいことは
蓮舫氏「今の日本が抱えている課題は実にたくさんあると思います。この課題、例えば財政再建、人口減少、あるいは少子化、進む高齢化。昨年、一昨年に分かったことではなく、30年前から分かっていた。つまり長く、長く続いた自民党政権が放置してきたがために、問題が深くなってきたものが多いと思っています」
「それに対して安倍首相は、例えば財政再建、社会保障のあり方も含めて消費増税を2回先送りする。あるいは本当に着手しなければいけない財政再建に手を着けませんでした。ふたを開けてみたら、自分のお友達を優遇するかのような行政を行っている。このアンバランスさを見ていると、やっぱりしっかりと対峙(たいじ)できる、対案をもって向き合える民進党がなければ、この国の民主主義は成り立たないと強く思っています。そういう民主党でいたいと思います」
--蓮舫氏は昨年のインタビューで「野田佳彦氏ばりの保守だ」とおっしゃった。蓮舫氏にとって保守とは何か。代表在任中、保守政治家としてなし遂げたことは
蓮舫氏「わが国の長く、長く続いた文化や伝統をしっかり守り続ける。そして大切に次の世代に伝えていく。ただ日本の人口体系、あるいは地域のあり方、国家像そのものがずいぶん大きく変わってきました。それに対して、長く守ってきた文化、伝統をどのように引き継いでいくのか。時代とともに変容させて、それを発展させてつないでいけるのか。まさに今の政治はその部分が求められる。変化を恐れるのではなくて、変化に応じて守るべきものをしっかり紡いでいく。それが私の求めている政治の中庸だと思っています」
「1年近く民進党(代表)をやらせていただきましたが、次の世代に何を残すか。例えばエネルギーや教育、憲法。そこは持続可能性の高いものをどうやって民進党が残していけるのか。抜本的な部分の議論に着手して、結論はまだ出ていないものもありますが、その結論が出る道筋はつくることができたのではないかと思います」
--執行部と反執行部の間に横たわる壁、衆院と参院の間の壁についてどう認識しているか。今回の辞任の決断も、そうした壁に風穴を開けることができなかったからか
蓮舫氏「まあ、いろんな原因は複合的に重なり合っています。これだと、ここで言えるものはないとは思います。複合的です」
「ただ、その壁の部分、例えば衆参の壁は確かにあります。それは参院議員の私が代表になったことによって乗り越える一つの、拡大執行役員会を活用する。あるいは風通しをよくする。そして両院の委員会の連携を強める。この部分の道筋はつくれたと思っていますし、ここは次の執行部に引き継ぎをさせていただければと思っています」
「2つめの、執行部と反執行部の壁は常にあるのだと思います。やはり政党であるがゆえに、多数の、まさにそれぞれが地域で選ばれている国会議員たちですから、その方たちが思う執行部のやり方への不満や不信、あるいは執行部が対する、そうではないと思える思いがぶつかることは、どうしても避けられないと思うんですね。ただ、それをどうやって円満に、お互いの理解を深めていくか。その手段は、私がもうちょっと努力しなければいけない部分はあったと確かに思っています」
--野党共闘とも絡んでくるが、支持団体である連合との関係はどうするか
蓮舫氏「連合の役割は当然あります。この国で生まれ、育ち、あるいはこの国にやってきて生活するには労働と無縁ではいられません。働くという、人が生きていく上でとても大切で、崇高で、自分の生き方に関わるものが法律で本当に守られているのだろうか。その法律が変わることによって、軽んじられることはないのだろうか。その声をしっかり届けるのは、やはり連合が一義的に行うべきものだと思っています」
「私たちは政党として、どうしたら人々の働く環境を良くして差し上げることができるのか。非正規から正規へ、安定した雇用に、あるいは女性が子供を産んでも産まなくても、継続して安定的に働ける環境をどのようにつくるのか。それぞれ立場は違いますが、良くするために連携を取る姿勢は決して間違いではないと思います」
「今回、確かに連合の中で(『高度プロフェッショナル制度』を含む労働基準法改正案の修正をめぐり)いろいろあったかのように報じられている。連合の方とも意見交換、連絡は取り合っていますが、そこはトップダウンではなくて、ボトムアップで多様な議論を経て、1つの結論を出しているという健全な姿には敬意を表したいと思います」
■詳報(6完)「後ろから鉄砲を撃たれてもそれは水鉄砲。時間たてば乾く」 に続く
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