「防衛省、自衛隊の名誉にかけて隠蔽はなかった」と強調
稲田防衛相辞任会見・詳報(5完)《稲田朋美防衛相の記者会見は終盤に入り、辞任を決めた経緯への質問が続いた》
--稲田氏は、どういうことがあって安倍晋三首相に私は辞めたいということを伝えたのか
「詳細は控えるが、こういった状況において、国民の皆さま方の信頼を損ないかねない事態になっていることについてだ」
--相談し始めたのはいつからで、それに対して首相はどう話していたのか
「かねてより相談はしているということだ」
--かねてからとは、いつか
「正確には申し上げられないが、かねてよりということだ」
--それに対して首相はどのように?
「私の気持ちは率直に受け止められていたのではないでしょうか」
--それは留意されていたということか
「そういうことではない」
--そういうことではないとは、どういうことか
「私のその都度の相談については、率直に受け止められていたということだ」
--首相は国会答弁で今回の問題については相談は受けていないと、特別監察があるから、と言っていた。漠然とした理由で、報道がはじけているからという理由で辞めたいというのは到底考えられないが、今回の問題は本当に首相に言っていないのか
「事実関係については申し上げていない」
--首相は報告は受けていないと言っている
「だから、報告はしていない」
--よく分からないのだが
「かねてより、私の辞任に関する、辞任に関するというか、気持ちですね、はお伝えしていたということだ」
--陸自に日報が残っていたという問題については一切言わずに、報道が過熱しているから辞めたいと言ったのか
「報道が過熱しているからとは一切言っていませんよ。こういう状況になって、信頼が揺らぎかねない状況であるということだ」
--信頼が揺らぎかねないと稲田氏が説明する根拠は
「そんな詳しくは説明していません」
--首相と閣僚が詳しく説明もしていないのに、辞意を漏らすということがあり得るのか
「私のその都度の正直な気持ちをお伝えしていたということだ」
--首相と閣僚が辞任に関して相談しているときに、詳細な話もせずに辞意を漏らしていて、それを首相が受け止めていたという説明だけでは、納得できない。もう少し詳細に
「そこは詳細にお話をするような内容ではないから、お話をしていないということだ」
--雑談ベースで辞任に関する話をしていたということか
「そういうことではありません」
--首相の国会答弁とも関わってくるところだが、そうでないならそうでないときちんと説明したほうがいい
「今申し上げたとおりで、日報に関する事実関係について報告をするということはない。私の辞任の意向については相談をしていたということだ」
--いつからか
「かねてよりだ」
--日報について首相には何と言ったのか
「日報についてではなくて、3月15日に特別防衛監察が始まった時点から、こういった問題、防衛省、自衛隊の信頼を揺るがしかねない事態になっていたと思っている」
--特別防衛監察は、報道を受けて稲田氏が命じたものだ。あの時点では事実かどうか認定されていない。それなのに辞任だと思ったのか
「その時点で思ったとは言っていない」
--そう考えていたか
「漠然と、そういう状況については念頭にあったということを申し上げている」
--特別防衛監察をご自身が指示した時点で、辞任は頭にあったということか
「そういうことではありません」
《司会が会見の終了を予告すると、稲田氏が最後に述べ始めた》
「最後に改めて申し上げますが、私ども防衛省、自衛隊と致しましては、対国民の皆さまとの関係において、日報は自ら全て提出を致しております。本件の日報に関して、隠蔽という事実はありませんでした。防衛省、自衛隊の名誉にかけて、このことだけは申し上げたいと思います。ありがとうございました」
■詳報(1)日報問題「極めて重大、深刻。責任を痛感」、自身の隠蔽否定 に戻る
関連記事