内閣改造 「支持率回復望めない」「永田町目線だ」有識者は冷めた声
安倍晋三首相は内閣改造で、閣僚経験者の再登板や政権と距離があるとされる野田聖子氏の抜てきなどを通じて人心一新を図るが、有識者からは、冷めた声が漏れた。
「政策ではなく、首相自身に対する不信感が内閣支持率低下の原因となっている」。政治アナリストの伊藤惇夫さんはこう述べ、内閣改造で国民の信頼回復は困難との見通しを示した。
加計学園問題に関係する閣僚は交代。7月末の閉会中審査では、首相自らの答弁の整合性も追及された。
伊藤さんは「政府の説明に国民は納得しておらず、時間をかけて説明責任を果たすことでしか信頼回復は果たせない」と断じ、秋の臨時国会での対応を誤れば、一気に政局になる可能性に言及した。
早稲田大の田中愛治教授(政治意識論)は「閣僚経験者ら手堅いベテランを多く配し、自民党内の非主流派も登用してバランスに気を使っているのはよく分かる」と布陣を評価した。 だが一方で「それらは永田町の論理で、国民目線が欠けている」と指摘した。
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