インド映画、国外興収4年で1.5倍 16年187億円 今年は中国で大ヒット

 
中国・北京の映画館で、「Dangal」の広告と写真に納まる女性たち。同作品はインド映画の国外興行収入の新記録を樹立した(AP)

 インド映画の国外での観客動員が好調だ。会計・コンサル大手KPMGによると、2016年のインド映画の国外興行収入は110億ルピー(約187億2200万円)となり、12年の76億ルピーから約1.5倍に増加した。近年、国外で上映されヒットする作品が増えているほか、中国市場での人気が高まっているのが要因とみられている。現地紙タイムズ・オブ・インディアが報じた。

 1980年代から90年代にかけ、国外におけるインド映画は不遇の時代が続いていた。しかし、2000年代に入るとアーミル・カーン主演の「ラガーン」(01年)や、シャー・ルク・カーン主演のロマンス作品「さよならは言わないで」(06年)など、米国や英国、カナダなどで興行的な成功を収める作品が登場するようになった。

 10年代に入っても米国を舞台にしたシャー・ルク・カーン主演のドラマ作品「マイ・ネーム・イズ・ハーン」(10年)がヒットしたのをはじめ、着実に国外での評価と知名度が高まっている。KPMGがまとめたインド映画の国外興行収入の歴代トップ10では、9作品が10年以降に公開された作品だった。

 さらに、今年はアーミル・カーン主演のスポーツドラマ作品「Dangal」が中国で爆発的にヒットし、中国での単独興行収入だけで昨年の全作品の国外興行収入を上回る150億ルピーを記録した。

 インドの映画産業の売り上げは国内興行収入が柱で60%を占め、国外興行収入は10~15%だ。しかし、地場映画製作会社トリニティ・ピクチャーズの幹部によると、インドの映画産業にとって国外興行の重要性は増しているという。

 同幹部は「もともと米国や英国、カナダ、中東諸国ではそれなりの成績を上げていたが、このところ中国市場がとりわけ重要になってきている」と述べた。中国は文化的にインドと似ているところもあり作品が受け入れられる素地があるうえ、劇場側が積極的に優良作品を求めているという。

 インド映画の国外配給に関しては、売り上げ配分が劇場側に有利なことが多く、編集や字幕・吹き替え作業、プロモーションなどにも相当な費用がかかるため、簡単ではないとされる。

 ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント・インディアのクリシュナニ社長は「結局のところ、国外で成功するかどうかは作品の独自性にかかっている」と述べた。(ニューデリー支局)