国内に国際商事仲裁の専用施設 五輪視野、月内にも準備会

 

 国際的なビジネス紛争の解決を図る国際商事仲裁の専用施設「日本国際紛争解決センター」(仮称)設置に向け、早ければ今月中にも、企業関係者や弁護士らが設立準備会を発足させることが21日、分かった。グローバル化が進む中、官民挙げて仲裁に力を入れる諸外国に比べ、日本は立ち遅れているとされ、挽回を狙う。2020年東京五輪・パラリンピックでの、ドーピング問題などを扱う国際スポーツ仲裁への活用も視野に入れる。

 国際商事仲裁は、外国の企業との間で契約トラブルなどが起きた場合、あらかじめ双方が合意していた仲裁機関の判断に従い解決する方法。150カ国以上が条約を締結し、判断には裁判の判決と同じ効力がある。

 国ごとに制度が異なる裁判よりも中立性を確保しやすく、手続きが非公開で機密を保つことができる。また判断が速いなど企業側にメリットが大きく、仲裁件数は欧米を中心に増加傾向にある。

 関係者によると、専用施設は東京都内のビルに設け、国内外の仲裁機関に利用を促す。政府も6月に閣議決定した骨太方針で「国際仲裁の活性化に向けた基盤整備」の取り組みを進めるとしている。

 法務省などによると、日本の仲裁機関には日本商事仲裁協会があるが、通訳ブースなど自前の施設はない。ホテルを一定期間借りるなどしているが、高額な費用が企業の敬遠材料となっている。

 一方、自国内企業の負担軽減や海外からの投資を呼び込むため、専用施設建設や人材育成など仲裁環境整備に力を入れる国は多く、国・地域別の主な仲裁機関の取扱件数を見ると、日本の21件に対し、米国1063件、英国326件、シンガポールと香港の各271件、韓国74件と水をあけられている。

 日本企業も海外で仲裁せざるを得ないケースが多く、「大企業だと耐えられるが、中小企業だと費用も体力もない」(法務省関係者)との指摘が出ていた。