政界地図激変、冷める有権者「何でもあり」 各陣営は新たな混乱直面

 
党本部で記者の質問に答える民進党の玄葉光一郎総合選挙対策本部長代行=2日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)

■枝野新党、新たな混乱 菅元首相「参加を決意」

 民進党の枝野幸男代表代行が新党「立憲民主党」の結成を発表した2日、民進党リベラル派の立候補予定者らは、参加を視野に慌ただしく動いた。リベラル派らは民進党が合流を目指す希望の党から排除される可能性が高かっただけに、新党旗揚げが“助け舟”になった格好だ。しかし10日の公示日まで残りわずか。政界地図の激変に次ぐ激変に、各陣営は新たな混乱に直面している。

 さいたま市大宮区にある枝野氏の地元事務所。2日の記者会見で新党結成が発表されると、テレビで様子を見守っていたスタッフや支援者から「枝野氏の腹が決まったのなら、こちらの腹も決まった」などと歓喜する声が相次いだ。

 “枝野新党”に賛同する動きはすぐに広まった。

 東京都内の選挙区では2日、民進公認で立候補予定だった東京2、8、10、13区の新人4人が合同記者会見を開いて新党に合流する意向を表明。元首相の菅直人氏=東京18区=も都内で街頭演説し、「枝野氏の呼び掛けに応えて立憲民主党に参加することを決意した」と明らかにした。

 一方、有権者は戸惑い気味だ。民進系リベラル派らを支持してきたという東京都江戸川区の自営業の男性(56)は「希望がだめだからリベラルというのでは説得力に欠ける」。同区の会社員の女性(44)も「当選するためには何でもありという選挙にうんざりしている」と批判した。

 民進チラシのまま

 二転三転する情勢に、新党へ参加する陣営の準備不足も見え隠れする。

 希望からの“排除”が濃厚で、神奈川12区から無所属での出馬が取り沙汰されていた前職の阿部知子氏は2日、枝野氏の会見後に早くも地元の藤沢市で街頭に立ち、新党に参加したことを表明して支持を訴えた。

 もっとも、のぼりは差し替えが間に合わず「民進党」のまま。通りかかった市民からは「どの党から出るのか」との問いかけが相次いだ。

 同市内の阿部氏の事務所ではスタッフらが街頭演説の準備を急ピッチで行っていた。「古いチラシを使い切る」と事務所関係者。新党参加を表明したにもかかわらず、街頭で配布されたチラシには「民進党副代表」の肩書が残っていた。

 助け舟登場に期待

 民進党幹事長代行の辻元清美氏=大阪10区=も、枝野氏の新党に期待を寄せる一人だ。地元の事務所担当者によれば辻元氏は2日、予定をキャンセルし、枝野氏の会見の様子をテレビで見守ったという。

 「(辻元氏は)府連幹部でもあり、民進党から立候補を予定していた人のことも考え、身の振り方を決めると思う」と、担当者は話す。

 しかし、大阪府内の有権者からは厳しい声も上がった。八尾市の会社員、隅田健祐さん(28)は「民主党政権時代から期待していなかったので、今回のゴタゴタも驚かない」と突き放す。同府和泉市の男性会社員(44)は「茶番だ。政策論争を早くやってほしい」と注文をつけた。